農業の未来を切り拓くAI活用とDX推進の可能性

9月25日、AIデータ株式会社が主催した「AIエージェント×AI/DXフォーラム～農業～」が開催されました。このフォーラムでは、日本が抱える農業の課題と、それに対するAIを活用した解決策が提案されました。

日本農業が直面する課題

日本の農業は現在、深刻な人手不足や技術継承の難しさといった問題に直面しています。これらの課題が生産性の向上を阻害しており、持続可能な農業の実現に向けての大きな障壁となっています。そこで、AIを活用することで、データの統合や生産性の改善を図る必要性が強調されました。

AI高速道路モデルの提案

AOSグループの代表である佐々木隆仁氏は、AIを利用した「高速道路モデル」を紹介しました。これは農家や企業がAIを迅速かつ効果的に活用できるよう、導入のハードルを下げるための構想です。このモデルは、現場に即したAI活用を実現し、生産性向上やリスク低減に寄与することを目指しています。また、国がAIやDXを戦略的インフラとして位置づける意義も強調されました。

データ活用の政策的向上

次に、農林水産省の光廣政男氏が登壇し、データの利活用の現状とその課題について語りました。農業DXやスマート農業の推進に関する政策の重要性や、自治体や農協との協力の必要性が述べられました。特に、地域現場との連携強化やデータの標準化が急務であるとされ、その具体的施策が提示されました。

AIを駆使した農業の成長モデル

AIデータ社の志田大輔氏は、AIを活用することで新規就農者や中小農家でも高収益を得ることが可能なプラットフォーム「AI AgriSense on IDX」を紹介しました。このシステムは、様々な農業情報を一元管理し、AIによって判断支援を行うものであり、農業DXの実現に向けた架け橋となることが期待されています。

WAGRIの出現とその意義

次なるセッションでは、農業データ連携基盤「WAGRI」の鶴氏が登壇しました。このプラットフォームは全国の農業データを集約し、データ駆動型農業の中核インフラとして機能するとしています。その運営の中で直面する課題や、実際に企業やアプリケーションとの連携事例によって、「WAGRI」がいかに農業データの活用を促進しているのかが説明されました。

分断されたデータを結集する

PLANT DATAの北川寛人氏は、分断された農業データを価値あるものに変えるためのDX-BPOとAI AgriSense連携モデルを提案しました。データ統合の重要性や、AIが如何に農業プロセスを効率化するかを語り、農業全体の視点からの連携型DXモデルの必要性が示されました。

スマート水田構想の実現

最後に、株式会社笑農和の下村豪徳氏が水田農業におけるスマート化の最新事例を紹介しました。IoTやAIを活用し、環境負荷を抑えると同時に生産性を向上させる技術的アプローチについて語られ、持続可能な水田農業の将来像が示されました。

このフォーラムでは、日本の農業がAIとDXの力を借りて未来に向かう可能性が広がっていることが感じられ、多くの参加者がその知見を持ち帰ることができました。今後の展開に期待が寄せられるところです。