広告業界におけるカーボンニュートラルへの取り組み

近年、地球温暖化問題の深刻化から、多くの企業が温室効果ガス削減に向けた取り組みを強化しています。その中でも広告・マーケティング業界は、活動を通じて計り知れない影響を持つことから、カーボンニュートラル社会への貢献が求められています。特に広告制作やイベント運営といった過程におけるカーボン排出量をどのように管理していくかが鍵となります。

カーボンカリキュレーターの共同開発

一般社団法人日本広告業協会（JAAA）、一般社団法人日本アド・コンテンツ制作協会（JAC）、そして一般社団法人日本イベント産業振興協会（JACE）の3団体は、広告業界の脱炭素化を実現するために「カーボンカリキュレーター」の共同開発に着手しました。このカリキュレーターは、広告制作やイベントに関わるカーボン排出量を明らかにし、算出するためのツールです。

この取り組みでは、他の業界との連携を通じて、広告関連企業が容易に利用できる透明性の高い基準を設定し、排出量の測定と管理を進めることを目指しています。具体的には、国際的な算定基準や国内外の実務に即した設計が行われており、今後は実証工程を通じてその精緻化が進む見込みです。

ガイドラインと共通指針の策定

カーボンカリキュレーターを利用する際のガイドラインも順次制定され、広告制作に関わるすべての関係者が参照できる共通の指針が整えられます。これにより、業界全体でのスムーズなカーボン排出量の管理が実現し、持続可能な広告制作を促進することが期待されています。

業界全体での持続可能性を目指して

このカーボンカリキュレーターの開発には、32社以上の企業が参加しています。代表的な広告会社や制作会社、イベント会社が名を連ねており、その多様な業種が共通の目標に向かって連携する姿勢が印象的です。これらの会社は、広告やイベントを通じたコミュニケーションの重要性を認識しながらも、持続可能な発展を目指すことが使命だと考えています。

各団体は、広告・制作・イベント・マーケティング領域の枠を超えた連携を通じ、業界全体が社会的責任を果たし、持続可能な発展を実現するために引き続き取り組んでいきます。広告業界における脱炭素化は容易ではありませんが、各社が共に力を合わせることで、新たな未来を築いていくことができるでしょう。

情報出典: