訪問看護ステーション数が過去最多を記録
2025年6月に発表された一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査結果によると、全国の訪問看護ステーションの稼働数が18,743件に達し、前年に比べて1,414件の増加となりました。この数値は15年連続の増加を示しており、高齢化が進展する日本において、在宅ケアの重要性が高まっていることを如実に物語っています。
訪問看護ステーション数の増加背景
近年、介護保険法の改正や報酬体系の見直しが進み、特に2012年以降、訪問看護に関連する報酬が大幅に見直されました。その結果、この13年間で訪問看護ステーション数は約3倍に増えており、年平均成長率は8.8%という驚異的な数値です。2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、医療と介護の両面での需要が高まることが予想されているため、この流れは今後も続くと考えられます。
さらに、2024年度には新規に開設されたステーション数が過去最高の2,487件に達しました。この新規参入の増加は、在宅医療のニーズが急増していることを反映しています。
増加する廃止・休止の現状
一方で、訪問看護ステーションの廃止や休止も増加しています。2025年度には、886件の廃止と355件の休止が発表され、いずれも過去最多となりました。主な理由としては「従業員確保が困難」、「管理者の退職」、「利用者が少なく経営維持が困難」といった問題が挙げられています。
特に、訪問看護ステーションの運営においては、人材確保が難しい一方で、利用者数が少ないという二重の問題が経営を圧迫しています。このような背景から、多くのステーションが運営困難に直面しているのが現状です。
訪問看護の未来と課題解決の取り組み
訪問看護ステーション数の増加は、少子高齢化社会における在宅医療ニーズの高まりを反映しています。しかし、すでに述べた通り、廃止や休止が増加している現状に対して、どういった対策が講じられるべきかが問われています。特に、看護師が医療に専念できる環境を整え、適切な評価と働きやすさを追求する必要があります。
また、eWeLLでは訪問看護に関するさまざまな情報発信や無料セミナーを通じ、地域医療を支える重要な存在として訪問看護の成長をサポートしています。特に、訪問看護向け電子カルテ「iBow」や、業務効率化を図るための各種サービスを展開し、医療における質の向上を目指しています。
今後も、高齢化に伴う在宅医療需要のさらなる増加が見込まれる中、訪問看護はますます重要な役割を果たすのです。そのためには、地域医療をより良くするための質の高いサービスを提供するための取り組みが欠かせません。
まとめ
2025年度の訪問看護ステーション数の増加は、在宅医療がますます重要な社会インフラとなりつつあることを示しています。しかし、同時に課題も山積しており、これらを解決するためには、看護師の確保や職場環境の改善、多職種連携の強化が求められています。今後の展開に注目です。