多摩ニュータウンに誕生した「ナチュラルワインバー」とは？

多摩ニュータウンに誕生した新しいワインの拠点「ナチュラルワインバー」

2025年11月8日、東京都多摩市諏訪商店街に、一般社団法人Life isが手掛ける多機能型循環施設『modoki（モドキ）』内に「ナチュラルワインバー」がオープンしました。このワインバーは、福祉の視点から街づくりを考えることを目的としており、訪れる人々に日常生活の中で無理なく福祉の世界に触れてもらう場を提供しています。

新しい日常の創出を目指す「modoki」

『modoki』は、何かの枠に縛られることなく、様々な機能を持つ新しい場所です。「なにものでもなく、なにものにでもなれる」をテーマに、医療的ケアを必要とする子どもたちの短期入所や、私設図書館などの機能を順次開設していく予定です。

このナチュラルワインバーは、昼間はカフェ・ダイニングとしても機能し、ワインや食事を楽しみながら過ごすことができます。初めての人でも「おいしそう」と思える雰囲気があり、リラックスして福祉の理解を深められる空間を提供します。

詳しいメニューやラインナップ

ナチュラルワインバーでは、地元のリカーMORISAWAやココ・ファーム・ワイナリーから厳選されたワインを楽しめます。これらのワインは、農薬や添加物を使用せず、自然の力を活かして育てられたぶどうから作られています。土地や作り手の個性が色濃く反映されているため、味わうたびにストーリーを感じることができます。

具体的には、リカーMORISAWAは地域密着型の専門店で、国内外から集めた個性的なナチュラルワインを提供。加えて、ココ・ファーム・ワイナリーは障害のある方と共にぶどう作りから醸造までを手掛けており、訪れる人々には感謝の気持ちを持ってもらえるようなサステナブルなワイン作りにこだわっています。

ビールも地元のブルワリーBierernstのクラフトビールが取り揃えられており、食事メニューには、地域の人気店「cacamamma」が提供する新鮮な野菜を使った料理や、ユニークなおつまみを生み出す「幽霊」とのコラボレーションから生まれた一品も用意されています。

「ナチュラルワインバー」の役割

このワインバーは、ただの飲食店ではなく、福祉と日常をゆるやかに接続する「場」としての機能も持っています。「ひとりになりたいけれど、ひとりきりになりたくない」と言った人々が集い、寛げる場所を目指しています。人々が自然に交流し、つながることで、新たな「日常」が生まれそうです。

地域とのつながりを感じながら

オープン当日は、多摩を拠点に活動するアーティストによるワークショップや、地元幼稚園の劇団によるパフォーマンスが行われ、約300人の来場者で賑わいました。このような形で、人々が集まるコミュニティの場としての役割を果たしていくことでしょう。

今後の展開と未来への希望

今後、『modoki』は12月に私設図書館のオープンも予定しており、医療的ケアが必要な方々がリラックスできる空間をさらに提供することを目指します。また、複数の機能が順次開設されていくことで、地域の福祉活動への理解や関心が高まることを願っています。これからも多摩市に新たな風を吹き込む存在として、地域住民とともに成長していくことでしょう。