災害リスクと不動産
2025-09-24 14:27:51

エンドユーザーの災害リスク情報重視と不動産業界の温度差

災害リスク情報の重視と不動産業界の課題



最近の調査結果が、エンドユーザーと不動産会社との間に深刻な情報の温度差が存在することを示しています。株式会社いえらぶGROUPによる調査によれば、エンドユーザーの80%が災害リスク情報を重視しているのに対し、不動産会社がその情報を積極的に開示している割合はわずかに過ぎません。この問題は、ますます増加する自然災害の脅威の中で、どれほど重要な意味を持つのでしょうか。

調査の背景



2025年には全国で地震や豪雨が相次ぎ、多くの人々が災害リスクに敏感になっています。特に、近年の気候変動による異常気象は私たちの生活に多大な影響を及ぼす可能性があります。このような中、9月1日の「防災の日」を機に、災害に対する意識を高める動きが広がっています。いえらぶGROUPは、この状況を受け、エンドユーザーと不動産会社を対象に災害リスク情報に関するアンケート調査を実施しました。

エンドユーザーの反応



調査結果によると、エンドユーザーの約80%が災害リスク情報、特に水害に関連するハザードマップを「非常に重視」または「ある程度気になる」と回答しています。このことから、ユーザーは物件選びにおいてリスク情報が欠かせないと感じていることが明らかです。

さらに、「災害リスク情報を知ることでどう感じますか?」という質問では、54%が「検討しやすくなる」と答える一方で、40%が「検討をやめる可能性がある」と回答しました。これは、災害リスクのない物件を求めるニーズが高まっていることを示しています。

不動産会社の現状



一方で、不動産会社側の動向はやや消極的です。エンドユーザーの要望に対し、13%が情報を「必ず掲載している」と回答したのに対し、約40%は「基本的には掲載していない」とのこと。不動産業界全体での情報開示には依然として課題が残っていることが伺えます。

具体的な情報提供の要望



エンドユーザーの中で、最も知りたい災害リスク情報は「洪水・浸水のリスク」で、77%がこの情報を重視すると回答しました。地盤の揺れやすさも57%に支持されています。情報の提供タイミングとしては、物件情報の確認から内見時の説明まで、早い段階での具体的な情報開示を望む声が多くあります。このニーズに対して不動産会社はどう応えるべきか、考える余地が残されています。

不動産会社の懸念と信頼構築



不動産会社における調査でも、47%が「信頼性や安心感が高まる」と回答しています。しかし、同時に36%が、「契約に影響する懸念」があるという結果も出ています。エンドユーザーの期待に応えるためには、信頼性を高める一方で、契約面への影響も考慮した体制作りが求められるのです。

いえらぶGROUPの取り組み



いえらぶGROUPの常務取締役、庭山健一氏は「エンドユーザーの判断に大きな影響を与える災害リスク情報を、どのように正確かつタイムリーに提供できるかが今後の課題」と述べています。また、顧客の安心感や信頼につながる情報提供の重要性も強調されています。

福島などの災害列島に住む私たちにとって、予測できないリスクに備えるための情報提供は、今後ますます重要になっていくことでしょう。このような情報は、単なる不動産の選択にとどまらず、私たちの生活そのものに直結してきます。事業者はこの需要に答える形で、透明性のある情報開示を心掛けるべきです。

まとめ



今回の調査から浮かび上がった実態は、エンドユーザーのニーズと不動産会社の現実のギャップです。このギャップを埋めるには、双方のコミュニケーションを強化し、信頼関係を構築することが不可欠です。災害がもたらす影響を受けやすい私たちにとって、適切な情報がいかに重要であるかを再認識する好機といえるでしょう。


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