トロデルビの効果
2025-11-06 14:26:58
トロデルビ、転移性乳がん治療において38%のリスク低減を達成
トロデルビ、転移性乳がんの一次治療における新たな選択肢
最近、ギリアド・サイエンシズが発表したASCENT-03試験の結果が注目を集めています。この試験は、トロデルビ(サシツズマブ ゴビテカン)が転移・再発トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の患者にどのように影響を与えるかを検証したもので、最新のデータが2025年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表され、The New England Journal of Medicineにも同時掲載されました。
トロデルビの効果とは
ASCENT-03試験では、トロデルビが化学療法に対して病勢の進行や死亡のリスクを38%低下させたことが示されています。この結果は、無増悪生存期間(PFS)の主要評価項目を達成し、トロデルビを用いた患者群は中央値9.7カ月、化学療法群は6.9カ月という結果になりました。この効果は、異なる治療歴や予後不良群を含めても一貫して確認されています。
試験の責任医師であるハビエル・コルテス医師は、「トロデルビは、免疫療法の選択が困難なTNBC患者にとっての重要な進展です」と述べており、その意義は大きいと言えます。
PFSの改善と奏効率
試験では、客観的奏効率(ORR)がトロデルビ投与群で48%、化学療法群で46%という結果が得られています。奏効期間(DOR)は、トロデルビ群が12.2カ月であり、化学療法群の7.2カ月と比較しても顕著に効果が高いことが分かります。
さらなる解析と今後の展望
現在、全生存期間(OS)に関するデータは未成熟ですが、ギリアドは今後も患者の追跡調査を続け、さらなる解析を行う予定です。また、ASCENT-03試験の結果は、他の試験結果と補完関係にあり、トロデルビとキイトルーダの併用療法も新たな治療選択肢として期待されています。
安全性プロファイル
ASCENT-03試験では、トロデルビの安全性プロファイルが過去の試験結果と一貫性を示し、本患者集団において新たな安全性シグナルは認められませんでした。重篤な有害事象として多かったのは、好中球減少症や下痢がありましたが、治療による中止は化学療法群よりも少ないという結果が出ています。
まとめ
トロデルビは、転移・再発のトリプルネガティブ乳がん患者にとって新たな一次治療の選択肢となる可能性を秘めています。化学療法に対する優越性を示したこの試験結果は、まさに患者に希望をもたらすものです。今後の研究や実装が待たれる中、トロデルビのような新しい治療法の進展は非常に重要な意味を持っています。
これからも最新の情報を追いかけ、トロデルビに関連する進展をお届けしていきます。