テレワークがもたらした生活の変化
私たちの働き方が大きく変わりつつある中で、テレワークの普及が私たちの生活に及ぼした影響を多角的に探ることは、今後のライフスタイルの在り方を考える上で重要です。株式会社LASSICが運営する「テレワーク・リモートワーク総合研究所」、通称テレリモ総研が行った調査によると、テレワークによって得られた「増えたもの」が明らかになりました。
調査の概要
調査は2025年5月23日から5月28日の間に行われ、全国の20歳から65歳の男女1005人が対象です。リモートワークがどのように生活習慣を変化させているかを探るため、自由時間や自炊などに関する回答を得ました。
増えたもの1位は自由時間
調査の結果、テレワークによって最も増えたものは「自由時間」で、実に27.1%の人々がこの選択肢を選びました。これは、職場への通勤時間が削減され、その分を趣味や自己成長に充てることができるようになったことを示しています。オフィス勤務の際には得られなかった自由な時間が、自宅勤務によって獲得できるようになったことは、私たちにとって大きなプラスとなったようです。
自炊や健康管理も影響大
2位にランクインした「自炊」は27.0%で、外出頻度が減少したために多くの人が自宅で料理をするようになったことが背景にあります。特に、住宅街では飲食店が少なく食事を外で済ませることが難しいため、自炊の必要性が高まっています。これにより、食生活が見直され、栄養バランスを考えた食事が増えていると思われます。
また、3位の「睡眠時間」も20.5%と健全な生活意識の表れです。出勤のための準備や通勤時間がなくなることで、ゆったりとした朝の時間を取れるようになり、大切な睡眠時間をしっかり確保できる点が強調されています。
男女別のランキングの違い
調査結果を男女別で見てみると、自由時間が特に女性にとって大きなメリットであることが分かります。女性は「自由時間」の項目において男性よりも多くの回答を寄せており、特に育児や家事に忙しい多くの女性にとって、リモートワークを通じた自由度の向上は歓迎されるべき変化と言えるでしょう。
一方で、「コーヒー」という選択肢は、男性が2位、女性が4位となっており、男性のほうが仕事中に気分転換が必要と感じる傾向が見られました。これは、テレワーク環境においても生産性を高めたいと考える意識の現れかもしれません。
体重管理の課題
注目すべきは、体重が増加したという回答が男女共に5位である点です。家にいる時間が長くなることで、運動不足に陥りやすくなり、無意識に間食が増える傾向があります。これに対して過去の調査では、健康を意識して出社を希望する声も多く、テレワークにおける体重管理の重要性が浮き彫りとなっています。
未来に向けた変化と意識
この調査から、テレワークは生活に「余暇の増加」と「生活習慣の変化」を同時に生み出していることが分かります。自由な時間が増えることで趣味や家族との時間を大切にする一方で、健康への課題も明らかになりました。テレワークが働き方の選択肢を広げると同時に、私たちのライフスタイル全般に影響を与えていることを理解することで、より良い未来の働き方や暮らしの実現に繋がるかもしれません。
テレリモ総研は今後も定期的に意識調査を行い、私たちの働き方や生活に関する新たな発見を提供していく予定です。今後の動向にも注目していきたいですね。