ホテル投資の現状
2025-09-01 16:13:56

アジア太平洋のホテル投資、慎重な動きが続く中での成長の兆し

アジア太平洋地域のホテル投資状況



アジア太平洋地域におけるホテル投資のトレンドは、2025年上半期に47億米ドルに達し、前年同期比で23%の減少を見せました。この状況は、世界的な経済の不透明感が影響しており、特に日本や大中華圏、オーストラリアなどの成熟市場での選別的な投資が進んでいます。

投資の実態と特徴



調査を行ったJLL(ジョーンズ ラング ラサール)によれば、アジア太平洋地域においてホテル投資が特に注目されている国は5つあり、それらは日本、大中華圏、オーストラリア、シンガポール、韓国です。これらの国々は総投資額の84%を占めており、日本が最も高い15億米ドルの投資を記録しています。

しかし、マクロ経済の不確実性により、投資家たちはこれまで以上に慎重な姿勢を取るようになっています。特に、売り手と買い手の評価の乖離が広がり、資産のデューデリジェンスにかかる期間も長期化している状況です。

プライベートエクイティの動向



そのような中で、プライベート・エクイティ・ファンドはホスピタリティ資産に対する投資を増加させており、前年同期比で6%の伸びを見せています。この動きは、主要な市場での価格メカニズムの変化や、割安な資産を見つけ出そうとする戦略の一部として捉えられています。

さらに、2025年上半期には、富裕層がホテル投資を通じてポートフォリオを多様化しようと積極的な動きを見せ、投資総額は前年同期比54%増となりました。

市場の底堅さと今後の展望



アジア太平洋地域のホテル市場は、今後も安定した基盤で支えられると予測されています。2025年第1四半期の国際観光客数は前年同期比で7%増加し、RevPAR(1室あたりの売上)の成長をサポートしています。このような要因が、投資家の心理にもポジティブな影響を与えています。

特に東京の宿泊率は80%を超え、客室単価もコロナ以前の水準を上回っています。シンガポールやシドニーも同様の傾向が見られ、高い稼働率を維持しています。これらの地域では引き続き高水準の流動性が確保されています。

結論と今後の戦略



JLLは、2025年通年におけるホテル投資が前年比5%増となる128億米ドルに達すると予測しており、特に2025年の後半には投資活動が活発化すると見込まれています。今後の市場では、アクティブ運用の投資先としての魅力が増すと期待されています。

JLLの阿部有希夫ジェームズ氏によれば、日本のホテル投資市場は訪日外国人観光客の増加に支えられ、特に円安がプラス要因となっています。金融機関の流動性維持と低金利も、ホスピタリティセクターへの関心を高めています。

今後、プライベートエクイティ・ファンドや地域のホテルオペレーターは運営の専門知識を駆使して資産価値を最大化し、市場における重要なプレイヤーとして活躍することでしょう。


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