飲食店の防災準備状況と事業継続の課題
株式会社シンクロ・フードが運営する「飲食店ドットコム」は、会員である飲食店の経営者・運営者を対象に実施した防災対策に関するアンケート調査の結果を発表しました。この調査では、約7割の飲食店が何らかの防災対策を講じていることがわかりましたが、事業を継続するための見通しについては多くの課題が明らかになりました。
調査概要
調査は2026年8月20日から23日の間に、222人の飲食店経営者と運営者を対象にオンラインで行われました。回答者の多くは東京都に店舗を持ち、1店舗を運営している事業者が69.4%を占めています。
災害に備える飲食店の実態
調査結果によると、71.2%の飲食店が「何らかの形で災害に備えている」と回答。しかし、事業が休業した場合の事業継続の見通しについては、約6割が「1ヶ月を超えての継続が難しい」と感じていることもわかりました。また、仕入れ先の切り替えができると答えた店舗はわずか29.3%でした。
多くの店舗が日常業務に追われ、防災対策を後回しにしている現状が浮かび上がります。
対策不足とその理由
防災に関する文書やマニュアルを作成し、スタッフと共有しているのはわずか5.4%に留まっており、具体的な行動まで落とし込めていない店舗が多いのが現実です。特に「日々の営業で手一杯」「賃貸物件のため店内改修が難しい」といった理由が挙げられており、これが準備不足の原因となっています。
さらに、災害で影響を受けた場合のスタッフの安否確認方法や復旧手順を定めている店舗は73.9%と比べて、営業再開の判断基準を設けている店舗は50%にとどまっています。
停電や断水への具体的対策
調査では、停電や水道の断水に対する対策が不十分であることも浮き彫りになりました。35.6%の店舗は特に対策を講じていないと回答し、停電が発生した場合には24.3%の店舗が10万円以上の食材を廃棄すると予測しています。これが店舗にとって大きな経済的影響を及ぼす可能性が高いことが示唆されています。
飲食店の防災担当者の声
調査の自由回答には、飲食店経営者たちの防災に関する思いが寄せられました。「具体的なマニュアルがなく、何から始めればよいのかわからない」との声が多く、行政や業界団体に対して具体的な防災マニュアルや資材購入の助成などの支援を望む声もあがっています。
また、非常時の対応について、「災害が発生した場合、まずは従業員やお客様の安全が最優先」との意識を持つことが重要であるという意見もありました。
まとめ
この調査結果は、飲食店が防災対策に向けてどのように取り組んでいるのか、その実態を詳しく示しています。多くの店舗が備えを行っているものの、実際には事業継続に備えた具体的なプランが整備されておらず、今後さらなる改善が求められます。飲食店ドットコムは、こうした課題を克服し、より良い飲食業界の確立に向けて引き続き情報発信を行っていく方針です。