日本の個人投資家の実態調査から見えた投資知識への不安とその背景

調査結果に見る日本の個人投資家の実態

ベイビュー・アセット・マネジメント株式会社が実施した「投資運用に関する市場の意識調査」によると、調査対象となった1,000人の投資経験者の中で、約半数が10年以上の投資歴を持ちながらも、実に73.4%が自らの投資知識に対して不安を抱いているという結果が明らかとなりました。

投資歴と知識のギャップ

この調査では、投資初心者が多い中でも、長い期間投資を続けてきたベテランも少なくありません。具体的には、29.5％が20年以上の投資歴を持ち、18.8％が10年から20年未満。このように、実績を有しつつも知識の面においては心配する声が多いのが実情です。このことは、日本での投資文化がまだ成熟していないことを示しているとも言えるでしょう。
日本では現金や預金の比率が高く、日本人が投資を控える要因として、「安全性を重視している」ことや「投資知識が不足している」との声が上がっています。

投資信託に関する理解度

調査の結果、投資信託の仕組みに関する知識を持つ投資経験者は多く、72.5%が「販売会社」と「運用会社」の存在を知っています。しかし、その役割の違いを正しく理解している人は53.4%に過ぎず、運用会社から直接投資信託を購入できることや、その重要性を理解できている人は約半数という状況です。

投資信託選びの際の重視点

何より、投資信託を選ぶ際に最も重要視される項目は「過去の運用実績」であり、38.3%がこの要素を重視。投資信託の購入後でも62.7%が運用実績を把握していると答えたものの、実態として39.7%が選んだ理由として「運用実績に魅力」を感じたという点から、実績を重視しながらも、リスクへの認識は薄いとも言えます。

投資に伴う不安

投資を行うにあたっての不安要素としては、71.1%が「元本割れのリスク」を最も重視し、次いで「自身の知識不足」をあげる結果となりました。これは、投資の世界が難解であり、特に新たな挑戦への不安が根強いことを示しています。

日本では未だに現金や預金が安全であるという考え方が強く、相対的にリスクを感じながら投資を行うことに対して心理的ハードルが高いことが浮き彫りになっています。