新素材「L・Core®」の概要
日本金属株式会社が新たに発表した機能性ステンレス鋼「L・Core®」は、高い導電性を誇りながら、ステンレスの優れた耐食性を維持する画期的な製品です。この新技術は、製品の品質を向上させるだけでなく、環境負荷の軽減にも寄与しています。
開発の背景
従来のステンレス鋼は、一般的に耐食性に優れる一方で、電気を通しにくいという性質を持っていました。そのため、導電性の必要な部品には、高コストのニッケルメッキ処理や導電テープが不可欠であり、コスト削減が課題となっていました。それを克服するために、日本金属は表面改質技術を駆使して「L・Core®」を開発しました。この技術により、ステンレス鋼そのものを電気を通しやすい素材へと変貌させることが可能となりました。
技術的特徴
「L・Core®」は独自の表面処理技術を用いて、皮膜の中に電気の通り道となる「キャリアドープ」を形成。これにより、導電性と耐食性の両立が実現されます。さらに、この素材は後加工が不要で、メッキや追加工程なしでも直接導電部品として使用できます。
性能データ
接触抵抗値において、「L・Core®」は半光沢ニッケルメッキと同等の性能を示します。その性能は過酷な環境下でも維持され、高温多湿環境(60℃、95%RH)においても2700時間を経過しても性能の劣化はほとんど見られません。この特性から、高い信頼性を持つ部品として評価されるでしょう。
導入メリット
この革新的なステンレス鋼は、コストと品質の両面で優位性を発揮します。具体的には、従来のニッケルメッキ処理を施した材料と比較して、大幅なコスト削減が可能となります。
製品仕様
「L・Core®」は、オーステナイト系全鋼種に対応し、板厚0.05mmから0.30mm、板幅は200mm以下に対応可能です。また、全ての仕上げに対応できます。これにより、幅広い用途に利用できる柔軟性を持っています。
用途例
「L・Core®」は、スマートフォン用シャーシやFPC液晶ベゼルコネクターなど、多岐にわたる用途に利用されています。この新素材は、最終製品に必要な性能を実現し、市場のニーズに応えるために日々進化しています。
ビジョン
日本金属は、「人と地球にやさしい新たな価値を共創するMulti&Hybrid Material企業」としてのビジョンを掲げています。この理念をもとに、「Multi & Hybrid Material」、「Near Net Shape」、「Near Net Performance」という3つのキーワードを重視し、製品開発を推進していく方針です。
結論
「L・Core®」は、ステンレス鋼の新しい可能性を切り拓く製品として、期待される技術革新と環境負荷の低減に寄与することが期待されています。今後も、日本金属はさらなる革新を目指し、皆様のニーズにお応えしていくことでしょう。