シムトップスとオムロン、帳票デジタル化で製造業の新時代を切り拓く
株式会社シムトップス(東京都品川区)とオムロン株式会社(京都市下京区)が、製造現場における紙帳票のデジタル化を実現するための新たな協業を開始しました。このプロジェクトでは、シムトップスが提供する現場帳票システム「i-Reporter」と、オムロンのOCRソリューション「pengu」を組み合わせ、製造業のデジタル化を推進します。
現場帳票のデジタル化の重要性
製造業の現場では、作業実績や検査記録を紙帳票で管理していますが、これには多くの手間と時間がかかります。手書きによる記録ミスや、紙の転記が発生することで、情報の正確性や生産効率が損なわれてしまいます。このような課題を解消するために、シムトップスの「i-Reporter」はタブレットやスマホを使って、現場での帳票記録をデジタル化し、蓄積されたデータの利活用を促進しています。
今回の協業によって、オムロンが「i-Reporter」を販売し、導入後に現場でデジタル化された帳票はすぐにデータベースに登録され、さらに従来の紙帳票も「pengu」によりOCRでデジタル化されます。これにより、現場でのデータ利用がさらに進みます。
取り組みの具体的な内容
シムトップスの「i-Reporter」は、既に4,500社、22万人以上が利用している実績がありますが、今回の提携を通じて、特に注目されるのが、導入前に溜まった紙帳票のデジタル化問題の解決です。この協業により、既存の紙情報も効率的にデジタルデータへと変換され、合理的なデータ活用を実現します。
また、両社は共催ウェビナーを通して具体的な事例や活用方法を発信するほか、協力してマーケティング活動を進める予定です。これにより、製造業におけるデジタル化の課題を解決するためのヒントや成功事例を、より広範囲にわたって共有していきます。
期待される効果
この取り組みにより、製造業の社内での業務効率が大幅に向上することが期待されています。例えば、月に200分の書類整理を不要にし、分析にかかる時間をわずか数分に短縮することが可能です。デジタル化が進むことで、現場の記録プロセスが迅速化し、より質の高いデータの蓄積が実現します。
今後の展望
シムトップスとオムロンは、今後も製造業の生産性向上や品質改善、人手不足の解消といった社会的課題解決に向けて、努力を続けていくとのこと。この取り組みを通じて、単なる業務効率化にとどまらず、現場が主体的にデジタル変革を進める「現場DX」が実現されることを目指しています。今回の協業が、製造業全体の競争力を向上させ、持続可能な成長を促進することが期待されています。
参考リンク