日立製作所、金融サービスのグローバル標準化に参加
株式会社日立製作所は、このたび「Fintech Open Source Foundation」(略称:FINOS)のSilver Memberとして参画しました。FINOSは、金融業界の技術革新や標準化を推進するための国際的な団体であり、100以上の企業や組織が参加しています。これは、決済や資産運用分野でのユーザーエクスペリエンス向上やセキュリティ強化を目指す重要な活動の一環です。
FINOSの目的と日立の役割
FINOSは、オープンスタンダードやベストプラクティスの導入を通じて、金融サービスの発展を促進することを目的としています。日立は、この活動を通じて、自社の技術を活かした標準化の取り組みを推進していきます。
近年、金融業界ではサービスの利便性向上を目的に、サービス間のAPI連携やオープンソースソフトウェア(OSS)の活用が進んでいます。しかし、地域ごとに異なる規制や取引の安全性に関する要求が高まっているため、グローバルな視点での標準化がますます重要になっています。これにより、業界が直面する共通の課題を解決するためのコミュニティでの連携が求められています。
日立のこれまでの取り組み
日立は、これまでもオープンソースの実績をつくってきました。特に、クラウドネイティブな認証・認可管理を行うOSSであるKeycloakの開発に力を注いでおり、金融業界向けのAPIセキュリティ標準であるFAPIへの対応機能を実装するなど、セキュリティ対策に貢献しています。
また、日立のオープンソースプログラムオフィス(OSPO)は、Linux Foundationと連携し、OSSの活用に関する知見を広め、企業のコミュニティ活動を活性化しています。このような取り組みを通じて、企業がOSSコミュニティに積極的に関与する機会を増やす努力を続けています。
今後の展望
今後、日立はKeycloakやOSPOの設立で得た知見をもとに、FINOSにおける金融サービスの標準化活動を一層推進していく計画です。特に、AIの進展による新たなセキュリティ脅威に対処するために、金融業界におけるAI活用のガバナンスを整備していくことが求められています。これにより、業界全体に向けたベストプラクティスの確立と共有が進むことが期待されます。
FINOSについて
FINOSは、オープンソース開発者と金融業界の関係者が協力し、コミュニティ主導で新たなサービスや技術を構築することを目的とした団体です。日立の参画は、金融業界における新たな価値創造と技術革新を加速させる一歩となるでしょう。
参考リンク
日立は、これからも金融業界の進化に向けた取り組みを続け、持続可能な社会の実現に向けた貢献を目指します。