中古蓄電池の新規格
2025-10-21 14:24:42

日本初!中古蓄電池の安全リユースを促進する新規格が発行

中古蓄電池のリユースを促す新規格



【発表の背景】
近年、再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、電気エネルギーの蓄積と利用がますます重要になっています。その中でも、定置用大型蓄電池システム(BESS)が注目されていますが、最近ではその安全性についての懸念が高まっています。特に、海外ではBESSに関する火災事故が報告され、安全性評価の環境整備が急務となっています。日本でもこの問題を解決するため、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が新たな日本産業規格「JIS C 4442」を2025年10月に発行します。

この規格は、BESSの運用期間中に当初予定されていなかった変更を実施する際の安全要求事項を詳細に定義しています。具体的には、自動車などから取り外した中古蓄電池を再利用する場合や、BESSの設置場所を変更する際の運用・保守段階での要求事項に焦点をあてています。

【安全性の重要性】
BESSは、風力や太陽光発電などの可変エネルギー源による電力の変動を吸収し、安定的に電力供給を行うために不可欠な存在となっています。そのため、この技術の普及は期待されていますが、使用時の安全性を確保することは非常に重要です。

NITEは、2016年から大型蓄電池システムの試験評価を行っており、これまでの経験を基に、BESSに関する国際規格の開発にも携わってきました。これにより、蓄電池システムがより安全に運用できる環境を整えるべく尽力しています。

【規格の具体的内容】
新しい「JIS C 4442」は、BESSを含めた電気エネルギー貯蔵システムの利用を安全にするための基準です。特に、再利用される蓄電池における安全対策や、試運転にかかる要求事項が含まれています。これにより、事故リスクを低減し、蓄電池の適切な管理が求められます。

具体的な内容:
  • - 設置場所の変更: 新たに設置される際の基準や要求事項。
  • - 中古蓄電池の使用: 自動車などから取り出された蓄電池をBESSとして使用する際の安全性チェックと評価方法。
  • - 運用管理: 定期的な保守点検の方法とその必要事項。

【循環型経済への貢献】
新規格の制定により、国内でのBESSの安全利用が進み、蓄電池の再利用はサーキュラーエコノミーに貢献することが期待されています。限りある資源を活用することは、持続可能な社会の実現に向けて重要な一歩となります。

未来への展望
NITEは、今後もBESSの安全な普及と、国内の蓄電池システム市場の成長を支援していく考えです。新規格の活用を通じて、より安価で安全なエネルギー供給の実現を目指します。これにより、家庭や企業のエネルギー効率が向上し、私たちの生活も豊かになることでしょう。


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