新しい時代の映像解析技術「MIMAMORI AI」
株式会社アジラとNTT東日本が共同で開発した「MIMAMORI AI」が、商業施設や無人店舗における異常検知の新たなスタンダードとして、2025年3月31日から提供開始される。このクラウド型の異常検知AIサービスは、映像解析を用いてリアルタイムで不審行動を監視し、犯罪や事故を未然に防ぐことを目指す。
1. 提携背景とサービスの必要性
現在、日本は少子高齢化が進んでおり、商業施設や無人店舗における人手不足が深刻な社会問題となっている。これに伴い、リアルタイムでの異常検知と事故防止のニーズが高まっている。これまで防犯カメラは、事件後のデータ確認が中心だったが、「MIMAMORI AI」はそれを変える可能性を秘めている。
2. 「MIMAMORI AI」の技術的特長
このサービスは、NTT東日本の「ギガらくカメラ」とアジラの行動認識AI技術を組み合わせている。防犯カメラからの映像をクラウド上で解析し、さまざまな異常行動を瞬時に検知。たとえば、監視カメラが検知した人物の動作を解析し、転倒や異常な動きなどを迅速に通報することができる。
2-1. 具体的な機能
- - リアルタイム分析: 骨格推定技術を駆使し、動体の動きや姿勢を分析。特に高齢者に多い転倒を事前に察知し、迅速な対応が可能。
- - 簡易導入: クラウドカメラと異常検知機能を月額制で利用できる。初期設備費用や複雑な設置工事が不要で、カメラをインターネットに接続するだけで使用開始できる点も魅力だ。
- - 多用途連動: このAIは、セキュリティだけでなく、マーケティングへの活用も見込まれており、施設利用者数の計測や属性分析も可能だ。
3. 具体的な利用シーン
「MIMAMORI AI」を導入することにより、様々な業種での課題解決に貢献が期待されている。
3-1. エスカレーター事故の防止
最近のエスカレーター事故が増えている中、このAIは滞留や逆走を検知し、注意喚起をすることで早期の防止策が期待できる。
3-2. コインランドリーの運営向上
コインランドリーでは、利用者の不正行為を早期に発見し、店舗のサービスレベルを維持するための有効な手段となる。このような事例は、他の業種にも広がるだろう。
4. 料金プランや契約条件
このサービスは、AI検知機能に基づいた月額利用料が設定されており、初期設置費用も比較的低廉だ。また、インターネット環境さえあれば、簡単に導入できるため、これからの商業施設運営において、余すことなく活用できるだろう。
5. 未来への展望
「MIMAMORI AI」の導入により、商業施設や無人店舗の安全管理がしっかりと行われ、顧客に安心して利用してもらえる環境を創出することが目指されている。特に高齢者に対して、より安全な社会の実現が期待されており、業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)も加速するだろう。アジラとNTT東日本は、顧客のニーズに応じた機能の拡充に引き続き注力するとしている。利便性と安全性が共存する新しい時代が、いよいよ幕を開ける。