「9月1日問題」を前に考える親子のメンタルヘルスと受験対策
2025年8月21日、花まるグループは「9月1日問題」に焦点を当てたイベントを開催しました。この日は、長期休暇明けに心の不調が表れる子どもたちにどう向き合うかを考える重要な日です。日本では、9月1日が子どもの自殺が急増する日だとされています。そこで、花まるグループの代表、高濱正伸氏と精神科医の蟹江絢子氏が親子のメンタルヘルスについて語り合いました。
【開催の背景】
「9月1日問題」とは、長期休み明けの日に子どもたちが抱える心の緊張や不安が高まり、自ら命を絶つ事例が増える現象を指します。特に2023年度には34万人以上の不登校児童が報告され、その数は急増しています。この問題の背景には、学校に復帰することへのプレッシャーや生活リズムの崩れが影響しているため、早期の対策が必要とされています。
【イベント概要】
イベントでは、以下の2つのテーマが取り上げられましたー
1. 学校におけるプレッシャーとメンタルヘルス
2. 受験勉強における親の関わり方
1. 学校に戻ることへのプレッシャーと子どものメンタル状況
蟹江氏は、子どもの自殺の増加とその背景について、「休暇中の生活リズムの乱れ」や「学校や家庭での人間関係の問題」が関与していると指摘しました。家庭内で「死」や「自殺」について話し合うことが早期のSOSにつながると強調し、具体的なコミュニケーション手法も提案しました。例えば、家庭内での「合言葉」を設定しておくことが効果的です。
2. 受験勉強の最前線と親の関わり方
高濱氏は「受験は親子の共同プロジェクトである」と述べ、受験結果だけでなく、努力の過程や工夫を評価する重要性を強調しました。花まるグループでは、多様な学習スタイルに応じた塾運営がされており、受験生がリラックスできる環境を提供しています。また、親が子どもの成長に対し、どのように寄り添うかも大切です。
【親子のメンタルケアの必要性】
親が孤立したり、メンタルヘルスに不安を抱えていると、子どももその影響を受けやすくなります。高濱氏は、親自身が支え合えるコミュニティを持つことの重要性を説明し、新たな家族以外のサポートの場を確保することを提案しました。これにより、親に余裕が生まれ、それが子どものメンタルの安定につながるとしています。
【今後の展望】
花まるグループは、地域や学校に過剰な負担をかけず、民間が子どもたちの支えとなる体制を築くことが重要だと考えています。今後も学校と地域、そして家庭が一丸となり、子どもたちの心の安定を図るための活動を続けていく方針です。子どもたちの成長に向けた様々な支援が必要であり、私たちが共に歩むべき未来が待っています。