次の灯株式会社が物流危機に挑む、スマート工場化の最前線
岡山県に本社を構える次の灯株式会社は、現在の物流危機である「2024年問題」に立ち向かうべく、全面的な生産ラインの自動化と拠点の拡張を決定しました。このプロジェクトは、将来的に2031年に売上100億円を目指す「Road to 10B」の一環として位置付けられています。
なぜ今、投資が必要なのか?
次の灯株式会社は、現在、リビルトDPF(排ガス浄化装置)の需要が年率約140%で急成長しています。しかし、依然として職人による手作業に頼った生産体制では、需要に応えきれないという悩みがあります。これでは日本の物流網の維持そのものにも影響を及ぼす恐れがあるのです。
また、地方における人手不足も深刻な問題です。私たちは「人を増やす」のではなく、「ロボットとデータによる生産性の向上」を選択しました。このプロジェクトは経済産業省の「ものづくり補助金」にも採択されており、地域産業にとってもモデルケースとなることが期待されています。
匠の技を量産する技術革新
本プロジェクトでは、単に機械を導入するのではなく、長年の経験から蓄積された「整備士の暗黙知」をデータ化し、産業用ロボットに実装することで、品質の一貫性と生産性の向上を図っています。これは、単なる自動化の枠を超えた技術革新です。
工程のロボット化
生産工程では、重量物であるDPFの搬送や高圧洗浄作業に産業用ロボットを導入します。これにより作業員の身体的負担が軽減され、24時間稼働の生産体制の構築が可能になります。
検査プロセスのデジタル化
検査プロセスにおいては、X線や分光分析などの非破壊検査技術を取り入れることで、品質保証の精度を向上させています。具体的には、詰まり具合や触媒の劣化状況を数値データとして可視化し、顧客に対して科学的根拠に基づいた保証を提供します。
生産能力の拡張目標
次の灯は、2026年4月までに中部拠点を開設し、総社工場のライン改修を経て、2027年6月までに月産1,120個体制を構築する計画です。この目標は、従来の「手作業の限界(1,000個の壁)」を突破することを目指しています。
ガバナンスと成長戦略
次の灯株式会社は、急成長を続ける中での組織リスクを排除し、健全な成長を実現するためのガバナンス体制を設けています。「働きがいのある会社(Great Place To Work®)」に認定されており、離職率3%、平均残業時間20時間/月という持続可能な組織運営を行っています。
また、これまでに1,783トンのCO2削減を達成しており、環境負荷を減らすことで利益が生まれるビジネスモデルを確立しています。
代表取締役のメッセージ
「地方の町工場だから手作業でいい」という常識を捨て、次の灯は自動化プロジェクトを通じて「技術集約型」の産業プレイヤーへ進化を遂げようとしています。日本の物流を支えるインフラとしての責任を果たすために、金融機関や行政、パートナー企業と共にこの循環型インフラを強固にしていく考えです。
次の灯の挑戦が、今後の地域産業や物流業界に大きな影響を与えることが期待されます。私たちも応援し、この進化を見守りましょう。