新社会人の転職サイト登録動向2025年版
2025年4月、新社会人の転職サイト「doda」への登録者数が過去最高を更新し、前年比で113%増加しました。この現象は、長引く若手人口減少に伴う売り手市場や、企業の待遇改善の影響が大きいと考えられています。また、新社会人たちの転職に対する価値観の変化も大きな要因となっています。
登録者の急増の背景
パーソルキャリアが発表したデータによると、新社会人の登録者数は2011年からの調査で約31倍の成長を遂げており、全体では約7倍の増加が見られます。これは、働き始めたばかりの彼らがより良い条件を求める傾向が強くなったことを示しています。
2025年の大学生の就職内定率は92.6%という高い水準にあり、多くの新社会人が就職活動を早期に終える中、彼らは市場の変化に敏感になっています。物価の上昇や賃上げの動きもあり、これまで以上に望ましい環境を求めて転職を考えるようになりました。
価値観の変化と転職観
現在の新社会人は、終身雇用の崩壊を意識し、「転職ネイティブ世代」としての認識が広がっています。調査では、Z世代の約7割が転職をポジティブに捉えています。このため、彼らは転職を単なる手段としてだけでなく、自分自身のキャリアを豊かにするための選択肢として捉える傾向があります。
新社会人の多くは、キャリアの選択において、自分の意思を尊重しながら働くことを重視しています。特に給与や待遇に対する関心が高まり、より条件が良い企業にチャレンジしたいという心理が働いているのでしょう。
今後の展望と企業の対応
新社会人のキャリア選択は今後も続く売り手市場の影響を受けることが予想されます。労働力人口の不足が続けば、若手人材に対する求人は増加し、転職市場はますます活発になるでしょう。企業もこうした若者の意識の変化に対応する必要があります。
待遇の見直しや明確なキャリアパスの提示が求められ、自分らしさを発揮できる職場環境の整備が重要です。
自分らしいキャリアの模索を
新社会人は転職サービスを利用することで、自分自身のキャリア形成を意識的に行っており、単なる移籍ではなく、長期的な視点でのキャリアを模索しています。彼らを取り巻く環境が変化する中、情報収集を通じて自分に合った働き方を探し続けることが重要です。企業側も、若手の価値観やニーズに応じた対応が不可欠です。
今後も新たな登録者の増加が見込まれ、競争の激しい転職市場はさらなる変化を迎えるでしょう。2025年以降も、彼らの働き方や価値観がどのように進化していくのか注目が必要です。