NPOの新卒採用
2025-04-25 10:40:30

障がい者と全ての人の楽しめるビーチで新卒採用を実現したNPOの挑戦

障がい者と全ての人の楽しめるビーチで新卒採用を実現したNPOの挑戦



2025年4月、神戸にある特定非営利活動法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトが、新卒社員を正規雇用するという画期的な試みを行いました。このNPOは、障がいのある人もない人も、誰もが楽しめる海の環境を作るために設立されたソーシャルベンチャーであり、その取り組みは日本の非営利セクターにおいて一際目を引く存在となっています。

NPO法人と新卒採用をめぐる現状



一般的に、NPO法人の新卒採用は少数派であり、特に日本においてはその数は非常に限られています。内閣府の調査によれば、認定・特例認定NPO法人の平均経常収益は約9,599万円にとどまる一方、一般のNPO法人の収益は約2,198万円。しかも、年間収益が1,000万円以下の法人が多く存在するため、有給常勤職員がゼロのNPO法人が3割にも上ります。このような状況では、正規雇用を広げることは大変なハードルです。

特に、新卒就職先としてのNPO法人は、社会課題に取り組む魅力はあるものの、安定性や給与面から多くの若者にとって現実的な選択肢とはなりにくいのが実情です。最近の就職人気企業ランキングでもNPO法人は名を連ねることはなく、就職先に求める要素として「安定」「給与」「キャリア形成」が上位に来る中、社会貢献性を重視する学生は10%未満という現実も、これは新卒向け就職市場でNPOの地位が低いことを示しています。

NPOの新卒採用の意義



そんな中、須磨ユニバーサルビーチプロジェクトが新卒採用を行った背景には、「社会課題に挑まなければならない」という強い思いがあります。若者が初めて就職する際にNPOで働くことを、もっと当たり前の選択肢にできるようにしたいと考えています。これには、若い世代のアイデアや情熱を取り入れ、創造性を新たな広報活動に生かす期待も含まれています。

「社会を良くしたい」という理念を持つスタッフの育成も重要で、中長期的には組織をけん引するリーダーを育てることが、さまざまな事業展開に繋がると信じています。特に、若者にとってのキャリアの多様化を促進することは、今後の社会にとって不可欠な要素です。

目指すビジョン - ユニバーサルビーチの普及



須磨ユニバーサルビーチプロジェクトは、2017年に日本初となるビーチマットを設置しました。ここでは、障がいの有無や年齢、性別に関わらず、全ての人々がビーチを楽しめる環境を提供しています。

私たちの取り組みの根底には「人の想い」を大切にする考えがあります。障がいを持つ方々やそのご家族が海へのアクセスに直面するバリアを取り除くために、チャレンジすることの重要性を広めています。成功体験を重ねることで、自己肯定感を育み、自信を持って次の挑戦に繋げることができるのです。

新卒採用メンバーの柴田祐希の想い



新卒採用メンバーの柴田祐希さんは、理学療法士でありライフセーバーとしての経験を活かし、障がいや高齢の方が安心して海を楽しめる環境の構築に情熱をもっています。「海は誰にとっても自由で楽しい場所であってほしい」という彼の想いは、プロジェクトの核心を成しています。

彼はこれまで出会った多くの方々が「本当は海に行きたい」と思いながらも実現できない現実を見てきました。この課題意識から、彼は須磨ユニバーサルビーチプロジェクトに参加し、全国制覇を目指し、ユニバーサルビーチの普及に貢献したいと考えています。

全国的な展開と未来のビジョン



現在、須磨ユニバーサルビーチプロジェクトは、ユニバーサルデザインなビーチの普及活動を全国の31都道府県56ヶ所で展開しています。2035年度には、全都道府県にユニバーサルビーチが設立され、2050年度にはすべての人が自分らしく挑戦できる社会の実現を目指します。

結論



須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの取り組みは、新卒採用の道を切り開く一歩であるだけでなく、社会全体で「できない」を「できた!」に変える可能性を秘めています。これからの若者たちが夢を実現し、共に成長する場を提供することで、社会課題の解決に寄与していくことを期待したいです。私たちの「チャレンジする文化」を広める活動は、多くの人々に希望をもたらすと確信しています。


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