九州初！特別養護老人ホームが近距離モビリティを導入し高齢者支援を強化

九州初！特別養護老人ホーム「りんごの丘」が近距離モビリティを導入

福岡市に位置する特別養護老人ホーム「りんごの丘」は、社会福祉法人そよかぜの会が運営しています。最近、ここで高齢者の移動負担を軽減するため、九州で初めて近距離モビリティ「WHILL（ウィル）」の導入が決定しました。この取り組みにより、入居者の生活の質（QOL）を向上させることを目指しています。

高齢化社会における重要な一歩

日本では、2024年に高齢化率が29.3%に達すると見込まれています。このため、高齢者福祉に携わる現場では、慢性的な人材不足とともに、移動介助の負担が深刻な問題として浮上しています。スタッフが入居者と一緒に移動する際には、時間や労力が必要であり、その結果、専門職の離職も増えている現状です。

こうした背景の中、そよかぜの会は「尊厳と自立」をモットーに、利用者が自立した暮らしを続けられるような支援に努めています。そして、「りんごの丘」では、居住空間を自宅の延長と感じてもらうため、地域とのつながりを大切にした環境づくりを進めています。

WHILLの特徴と導入のメリット

WHILL社が提供する近距離モビリティ「WHILL Model C2」は、操作が簡単で、安定感があるデザインが特徴です。このモビリティは、歩行領域でも自由に走行可能であり、快適な移動経験を支援します。利用者はウィルを使用することで、自分のペースで移動できるほか、家族とのコミュニケーションも大幅に向上します。

この導入により、介護スタッフの身体的な負担も軽減され、業務効率が上がることが期待されています。利用者様は安心して移動できる環境が整い、転倒リスクも低減されるため、介護の現場全体の安全性が向上します。

利用対象と運用概要

WHILLは、りんごの丘に入居している方々や、ショートステイ中の方、その家族が利用可能です。施設内外の移動や散策に使用でき、利用条件として115kg以下の体重制限、着座時に足が足置きに届くこと、注意力が求められます。また、運用は2025年7月3日からスタートし、特別養護老人ホームの新しいスタンダードとなることを目指しています。