新たなデータセンターソリューションの発表
2023年6月11日、フランス・パリにてシュナイダーエレクトリックが、高密度AIおよび高速コンピューティングアプリケーションに特化した新しいデータセンターソリューションを発表しました。本記事ではその内容と、導入における期待される変化について詳細に解説します。
プレハブ型モジュラーデザインの革新
シュナイダーエレクトリックは、次世代のAIクラスターアーキテクチャの要求に対応するために、EcoStruxure™ Data Center Solutionsポートフォリオを進化させました。この新しいソリューションでは、液冷技術や高出力バスダクト、さらには高密度NetShelterラックを取り入れたプレハブ型モジュラーEcoStruxure Pod Data Centerを発表し、AIや高速コンピューティングのニーズに応えています。
AIクラスターの導入が進む中、ラックの電力密度は1MWを超えることが予想され、従来のデータセンターアーキテクチャでは対応しきれない課題が浮き彫りになっています。シュナイダーエレクトリックの新ソリューションは、ポッドとラック設計、電力供給、熱管理における新たな課題に柔軟に対応し、迅速な展開と将来のスケーリングが可能な環境を提供します。
新製品の特徴
プレハブ型モジュラーEcoStruxure Pod Data Center
- - 拡張性の高いポッドアーキテクチャにより、1MW以上の高密度ラックを大型展開可能
- - 液冷や電力バスダクト、複雑な配線など、最新の冷却アーキテクチャをサポート
- - 事前設計・組立済みで迅速な導入が実現
EcoStruxureラックソリューション
- - EIA、ORV3、NVIDIA MGXの標準に対応したモジュラーデザイン
- - Motivairによるラック内液冷装置を搭載
具体的な製品例としては、NetShelter SX Advanced Enclosureがあり、AIサーバーや液冷システムの安全な輸送を保証します。また、NetShelter Rack PDU AdvancedはAIサーバーの高電流ニーズを満たす設計となっています。
NVIDIAとのパートナーシップ
シュナイダーエレクトリックは、NVIDIAの技術をサポートする新しいラックシステムも発表しました。このオープンコンピュートプロジェクトにインスパイアされたラックアーチテクチャにより、AIファクトリーの急成長に対処できるため、拡張性や効率性を最大化することが期待されています。NVIDIAのデータセンターエンジニアリング担当バイスプレジデント、Vladimir Troy氏はこの新しいソリューションがAIの取り組みを加速するための信頼性と拡張性を提供すると述べています。
データセンター運用の新たな課題
新たに発表されたデータセンターソリューションは、オペレーターとシュナイダーエレクトリックのパートナーに、強力なAIクラスターを素早く確実に展開するために必要なインフラストラクチャと情報を提供します。特に、AIワークロードに対する電源と冷却の確保、導入の複雑さ、リスク、サプライチェーンの柔軟性、そしてインフラ管理におけるスキルギャップの解消に貢献することでしょう。
まとめ
シュナイダーエレクトリックの新しいEcoStruxure製品群は、効率性と持続可能性を追求する上で、AIに最適化されたデータセンターの構築を目的としています。今後、このソリューションがどのように市場に影響を与えるのか、ますます注目が集まります。技術の進化によって、次世代のデータセンターがどのように変わっていくのか、期待が高まるばかりです。