ケアウィルのアームスリングシャツが2025年度グッドデザイン賞を受賞
株式会社ケアウィルが手掛ける「アームスリングシャツ」(上肢サポートウェア)が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。これは、大阪公立大学と東京都立産業技術研究センターとの共同開発によるもので、脳卒中や腱板断裂などで上肢に不自由を抱える方々を対象にした新しい福祉製品です。
服の不自由を長年にわたり解消
ケアウィルは快適な生活を提供することを使命として、これまでも様々な巧妙な製品を開発してきました。例えば、「車いす利用者レインウェア」や「洗濯ネットバッグ」、さらには「アームスリングケープ」など、多様なニーズに応える商品を展開し続けてきました。今回の受賞で、4製品連続の受賞となり、その技術力とデザインの優れたコンセプトが再評価されました。
このアームスリングシャツは、特に片手の小さな動作で簡単に着脱できることが特長です。面ファスナーで前腕の位置を自由に調節可能で、肘は筋力を利用せずに固定できる仕組みが整っています。
機能やデザインの特徴
1. 上肢固定の安心感
アームスリングシャツは、面ファスナーを活用し、肘部にループが配置されているので、腕をしっかりと身体に密着させることができます。これにより、歩行時でも腕の動きが安定し、より安心して生活することができます。
2. 自由な調整が可能
シャツには縦と横に長い面ファスナーが施されており、腕の高さや位置を自由に調整できます。最適なポジションを維持し、快適さが続く設計になっています。
3. 簡単な着脱動作
大きなアームホールと滑りにくい生地のおかげで、肘から腕を簡単に引き抜くことができ、スムーズに着脱ができます。着用者の負担を軽減する工夫がされています。
4. 長時間の使用でも疲れにくい
アームスリングシャツ全体で重量を支えることで、疲労を感じにくく、肩や背中への負担を分散させる設計です。
5. 吸水速乾性の高い素材
スポーツウェアでも使用される素材が採用されており、汗をかいてもすぐに乾燥し、蒸れにくい快適な着心地が実現されています。
6. バリエーション豊かなスタイリング
シンプルなデザインと高い通気性により、季節を選ばずに活用できます。普段着にも合わせやすいスタイルで、ファッションに取り入れやすいのも魅力です。
7. 多様な利用用途
この商品は、上肢に可動制限がある方々の「歩行」や車椅子での「移動」に支援を提供し、介助者による「移乗」も楽に行えるように設計されています。
今後の取り組みと未来への展望
今後、更なる改良や量産化を目指して、全国の医療や介護機関と連携を深めていく予定です。現在は110以上の病院や介護施設で製品のモニターを実施しており、利用者からのポジティブなフィードバックが得られています。特に、肩や首筋の負担の軽減が高評価を得ており、96%のモニター利用者が速乾性にも満足という結果が出ています。
また、「私の選んだ一品2025」にも選出されたことから、10月15日から27日までGOOD DESIGN Marunouchiでのトークイベントも予定されています。これにより、福祉製品の重要性やケアウィルの取り組みを広く伝える機会となるでしょう。
アームスリングシャツは、4820円(税込)で販売されており、男女兼用のフリーサイズが提供されており、購入は公式サイトやアマゾンを通じて可能です。今後も魅力的な福祉製品の開発に期待が寄せられます。