中央区佃の新しい飲食体験「喫茶と居酒 anata」
東京都中央区の佃エリアにある「喫茶と居酒 anata」が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。運営を手掛ける株式会社ニードは、街と人々をリコネクトすることを目的とした飲食店として注目を浴びています。
1. 歴史と現代が交錯する場所
佃はもともと漁師の街として発展し、近年では高層マンションが立ち並ぶ地域です。こうした歴史と現代の風景が共存する中で、「anata」は、そんな街特有の魅力を体現する場所に設計されています。人と人とのつながりが希薄になりがちな都市環境の中で、「anata」は角打ちスタイルの気軽な飲食体験を提供し、自然に交流を促す空間を創造しました。
2. 街との調和を目指すデザイン
「anata」のデザインは、佃の地域性を巧みに取り入れています。その一つが、古い木造家屋と現代の高層マンションの調和です。店舗外装には、地域に見られる木製タイルを使用し、店が街並みと一体感を持つよう設計されています。こうした工夫によって、ただの飲食店ではなく、街の風景の一部として存在感を発揮するのです。
3. 繊細なグリッド思想の導入
デザインには「グリッド」という秩序が基盤にあり、これは佃の名前に由来する田畑の格子状の景観を参考にしています。店内の障子や棚も寸法を調整することで、リズム感のある空間に仕上がっており、街と店舗、過去と未来を自然に結びつけています。
4. 経年美化による価値の創造
「anata」は新築の建物ではなく、既存の建物を生かしたデザインが特徴的です。コンクリートの躯体を残しつつ、木材や和紙などの自然素材を使用することで、時間の経過とともに魅力が増すような空間作りを目指しています。老朽化ではなく経年美化を重視したこのアプローチが評価されました。
5. 文化的交流の場としての展開
「anata」では、地域住民や観光客が共に楽しめるイベントや文化活動が行われており、これが街の新しい文化を育む土壌となっています。様々なワークショップや音楽イベントなどを通じて、多様な背景を持つ人々の交流が生まれています。
受賞の経緯
2025年度グッドデザイン賞には、5,225件の応募の中から1,619件が受賞対象となり、その中に「anata」が選ばれたことは大きな名誉です。受賞作品は11月1日から5日まで東京ミッドタウンで開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」で展示される予定です。
代表のコメント
株式会社ニードの代表取締役である飯島理氏は、「街に根ざし、時の経過とともに味わいを増す空間を目指しました。anataが佃エリアの風景の一部となり、訪れる人々の記憶と重なりながら育っていくことを願っています」と述べています。
今後の展望
「anata」は今後も地域と観光客が楽しめる文化活動の展開を図り、クリエイターやアーティストとのコラボレーションを通じた文化発信拠点としての役割を強化していく考えです。また、佃・月島エリアの魅力を国内外に向けて発信する取り組みも続けます。
店舗概要
- - 店名: 喫茶と居酒 anata
- - 所在地: 東京都中央区佃1-9-13 エンゼルトワイス1F
- - アクセス: 東京メトロ有楽町線・都営大江戸線「月島」駅 徒歩2分
- - 席数: 約20席(カウンター・テーブル)、立席30名程度まで
- - 営業時間: 12:00〜23:00(L.O.22:30)
- - 定休日: なし
- - 取扱い: クラフトビール・カクテル60〜80種類、その他アルコール、カフェ、軽飲食、イベントスペース機能
これからも「anata」から目が離せません。訪れる価値ある場所として、多くの人々を迎え入れています。詳しい情報やイベントについては、
公式ウェブサイトをチェックしてください。