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成瀬ダムに革新技術「Geo-DX Compaction」を導入

概要

鹿島建設が開発した新しい締固め品質管理手法「Geo-DX Compaction™」が、秋田県の成瀬ダムで採用され、その効果が注目されています。この手法は、地盤の電気抵抗を利用して現場密度をリアルタイムで測定することで、従来法に比べ試験業務の人員を約70%削減することに成功しました。

背景

ダムや造成工事においては、これまで人力での試験孔削孔や試料採取が必要でした。これには大きな負担が伴い、試験器具を運搬する労力も必要とされていました。そのため、試験業務の省力化と生産性向上が急務でした。これを受け、鹿島は質の高い施工を実現するためにGeo-DX Compaction技術の開発に取り組みました。

Geo-DX Compactionの特長

「Geo-DX Compaction」は、地盤に取り付けた4つの電極を使って、電気抵抗を連続計測します。そのデータを基に、現場密度が算出されます。この手法により、広域の施工面全域にわたるリアルタイムのデータが取得可能となり、高精度な締固め品質管理が実現されました。

成瀬ダムでの実績

成瀬ダムでは2022年にGeo-DX Compactionが試験導入され、従来法との比較が行われました。その結果、計測精度の誤差は僅か±0.05t/m³と確認され、2024年より正式採用されることが決定しました。これにより、30名以上の試験要員が必要だった業務が、運転者1名のみに削減されました。

導入による効果

本手法によって、成瀬ダムではCSGの締固め品質管理が効率的に行われ、試験孔数点のデータ取得から、施工面全体の密度をヒートマップで可視化することができるようになりました。これにより、施工品質の確保と同時に、リアルタイムな管理が可能になり、安全性と生産性が向上しました。

今後の展開

今後も鹿島はGeo-DX Compactionによる計測自動化を目指し、さらなる省力化と工事の効率化を図ります。また、この手法はダムだけでなく、盛土工事など他の分野にも適用できるため、展開を進めていく予定です。

工事概要

• - 工事名: 成瀬ダム堤体打設工事（第2期）
• - 工事場所: 秋田県雄勝郡東成瀬村椿川地内
• - 発注者: 国土交通省東北地方整備局
• - 施工者: 鹿島・前田・竹中土木特定建設工事共同企業体
• - 工期: 2023年6月～2026年12月

新たな技術の導入により、ダム建設の現場がどのように進化していくのか、これからの展開に期待が高まります。

関連リンク

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