保険業界に迫るデジタル化: 改正保険業法への対応状況調査の結果

はじめに

2026年に施行される改正保険業法は、保険業界に大きな変化をもたらすことが予想されています。この法律の施行に伴い、企業は記録業務の手法を見直す必要があります。そこで株式会社ハンモックが行った実態調査から、業界のデジタル化の現状や課題が浮き彫りになりました。

調査の背景

保険業法の改正によって、書面や音声記録の管理・保存体制が厳格化されます。この法改正は業務の効率化やリスク管理を推進する一方で、企業はそれに対応するために記録のデジタル化を進めなければなりません。しかし、実際にどれほどの企業がこのデジタル化に取り組んでいるのかは明らかではありません。このような背景を受け、ハンモックは400名を対象にした調査を実施しました。

調査概要

調査は2025年7月22日から23日にかけて、セルフ型アンケートツール「Freeasy」を使用して行われました。回答者の多くは保険業界の情報システム部、法務部、総務部、営業部から抽出されています。以下に、主な調査結果をまとめました。

調査結果の概要

1. 社内対応の進捗

改正保険業法に対する社内対応状況について尋ねたところ、驚くべきことに、52.3%の企業が「未対応」または「計画未策定」と回答しました。具体的には、未策定が22.3%、情報収集中が17.3%、未対応が36%という結果でした。一方で、全体の約9.5%の企業は対応を完了していると報告しました。

2. 記録業務に関する課題

記録業務については、入力や登録作業の属人化が19.8%、過去の記録の検索が難しいとの声が17.3%あり、同様に記録の所在がバラバラで一元管理できていない状況も16.8%に上りました。さらに、必要な情報を探すのに時間がかかるという声も多く、業務の非効率性が浮かび上がっています。

3. デジタル化への関心

驚くべきことに、約70%の企業が書面や音声記録のデジタル化に関心を示しています。具体的には、OCRを導入している企業が16.5%、その他のツールを使っている企業が17.0%です。また、デジタル化の予定がない企業は27.8%でしたが、全体としては過半数が何らかの形でデジタル化を進めていることがわかりました。