東急不動産、ニューヨーク市場に新たな賃貸住宅を取得
東急不動産株式会社が米国ニューヨークにおいて、新たに354戸の賃貸住宅を取得したことが発表されました。このプロジェクトは、現地子会社であるTokyu Land US Corporation(TLUS)を通じて行われ、マンハッタンとブルックリンを中心に展開されています。
新たな物件の魅力と背景
これまで東急不動産は、ニューヨーク市内でオフィスビル「425パーク・アヴェニュー」の開発・運営を行っており、その成功体験を基に住宅市場にも進出する形となりました。ニューヨークは新規供給が限られ、住宅需要が非常に高いことで知られています。そのため、都心に位置する今回の住宅物件は非常に堅調な運営が期待されています。
取得した物件は2つあり、1つはマンハッタンのグラマシーパークエリアにある204戸の賃貸住宅、もう1つはブルックリン・ダウンタウンエリアにある150戸の賃貸住宅です。この両物件は、ニューヨークの都市部の賃貸住宅市場に特化したCanvas Investment Partnersとの共同事業として運営されることが決まっています。
グラマシーパークの魅力
マンハッタンに位置する「グラマシーパーク」は、閑静な住宅地として人気のあるエリアです。周辺にはマディソンスクエアパークや地下鉄の22nd St駅、さまざまな飲食店や商業施設が揃っており、住環境の利便性も非常に高いです。物件内には、ジムやラウンジを完備し、居住空間もスタジオタイプから3ベッドルームまで多様な構成が用意されています。特に、近隣で働くDINKS層にとって、非常に魅力的な住環境と言えるでしょう。
ブルックリンの利点
一方、ブルックリンの物件は、ダウンタウンエリアの中心部に位置し、4つの地下鉄駅が近くにあります。周辺には大型商業施設も多数あり、利便性に恵まれた環境です。共用施設には屋上テラスやジム、ラウンジスペースが備えられており、居住空間はバルコニー付きの2ベッドルームが中心となっています。特にニューヨーク中心部に通勤するDINKS層や学生層の成長する賃貸需要が見込まれています。
東急不動産の米国事業戦略
東急不動産は、米国にてすでに30ヵ所、合計6,838戸の賃貸住宅に参画しています。売却・回収したものを含めると、約10,700戸に携わってきました。このように、安定した賃貸住宅供給を通じて米国市場での事業基盤を強化することを目指しています。
また、2012年にはTLUSを設立し、リノベーションによる価値向上や新規開発にも参画しています。ニューヨークでは約50年ぶりの大規模なオフィス再開発も進めており、事業を積極的に展開中です。
環境経営と今後の展望
さらに、東急不動産は「GROUP VISION 2030」を掲げ、環境経営やデジタルトランスフォーメーション(DX)にも力を入れています。2022年には100%再生可能エネルギーの使用に達成し、国内事業会社として初めてRE100の目標を認定されるなど、環境先進企業への取り組みを進めています。
今後とも、東急不動産は米国市場の成長を見据え、賃貸住宅事業を拡大し、同社の国際的なプレゼンスをさらに強化していくことでしょう。