物流業界の安全運行へ向けたAIによる眠気リスク予測の実証実験

物流業界での安全運転を目指すAI技術の実証試験

近年、少子高齢化やEC市場の拡大に伴い、物流業界では運転者の不足が深刻な問題となっています。その状況下で、ドライバーの健康管理が益々重要視されています。このたび、株式会社アドダイスとセイノーラストワンマイル株式会社が協力して、AIを用いた「未来の眠気リスク」を予測する実証実験を行うことが発表されました。

1. 実証実験の背景

現在の物流業界は、事故やトラブルを未然に防ぐための新たな技術導入が急務となっています。特に、高齢化によって運転従事者数の減少が見込まれ、2030年にはその数が半分程度まで減少すると予測されています。このような条件の中、ドライバーの心身の疲労やストレスが事故の原因となる可能性が高まっています。そのため、企業側はドライバーの健康を守り、事故リスクを低減する手法を模索しています。

アドダイスの開発する「予兆制御®AI」による眠気リスクの予測は、単に運転者が眠気を感じた時に警告を出すだけでなく、事前に眠気の兆候を捉えることができる点に特徴があります。この技術が実用化されることで、運行管理者はドライバーの健康状態をより的確に把握し、未然に事故を防ぐ取り組みを進めることができるようになります。

2. 実証実験の内容

実証実験は2025年1月から4月までの期間にわたり行われます。参加企業において、ドライバーはバイタル測定用のスマートウォッチを装着し、様々な生理データを収集します。これにより、ドライバーの心拍数やストレスレベルなどが「予兆制御AI」に送信され、リアルタイムで解析されます。この解析結果から算出される「眠気スコア」が0から10までの値で表示され、運行管理者はこのデータを基にドライバーの状態を把握・対応することができます。

3. 眠気スコアの意義

「眠気スコア」は、運転者がまだ自覚していない眠気のリスクを示すものです。これにより、ドライバーに対する健康管理を強化し、事故防止に繋げる事を目指しています。実証実験では、ドライバーへのアンケートも実施し、AIの解析結果と実際の感覚にズレがないか検証することで、更なる精度向上を図ります。

4. 企業概要

このプロジェクトを推進する二社の背景についても触れておきます。セイノーラストワンマイル株式会社は、現代日本における物流の課題に取り組むため、社会問題解決型のラストワンマイルサービスを展開しています。アドダイスは、特許技術「SoLoMoN® Technology」に基づく自律型AIを使い、様々な分野での予兆制御を実現しています。