地域別・職種別の賃金と求人動向を科学する
1. はじめに
株式会社ナウキャストは、次世代金融インフラを提供するFinatextグループの一員として、2023年に「公開求人情報の収集・分析に関する調査研究事業」を受託しました。このプロジェクトでは、求人ビッグデータを活用して地域ごとの賃金や求人の動向を詳細に分析しています。
2. プロジェクトの背景
日本は現在、人口減少の影響を受け、労働供給の制約が強まっています。この状況下で、求職者が希望する職場へスムーズに移動できるようにするため、職業や地域別の求人情報を集約し、提供することが求められています。これにより、求職者が主体的にキャリアを形成できる環境を整えることが重要です。
厚生労働省は従来のハローワークのデータを基に雇用情勢を判断していますが、近年は民間の人材サービスを利用した労働移動も増加しています。そのため、ハローワークのデータだけでなく、民間人材サービスのデータ分析の重要性が高まっています。こうした背景を踏まえ、厚生労働省は「三位一体の労働市場改革の指針」に基づき、求人情報を集約して求職者のキャリア形成に役立つ情報の提供を目指しています。
3. 調査研究事業の詳細
本事業では、地域ごとおよび職種ごとの求人情報を集収・分析し、これに基づいた課題の洗い出しとキャリアコンサルタントが活用する情報の検討を行っています。ナウキャストは、株式会社フロッグが収集・整理したハローワーク及び民間の5サイトの公開求人情報を用いて、5種類の職種と3つの都道府県に焦点を当てて分析を行いました。これにより、各職種の求人件数や、その賃金(上限と下限の平均)を集計しています。
さらに、正社員とアルバイト・パートの求人件数および賃金の推移を明らかにし、ハローワークのデータと民間の統計との比較も行っています。これにより、今後の雇用動向や賃金のトレンドをより具体的に把握することができます。
4. 今後の展望
ナウキャストは、他のデータとともに求人ビッグデータを引き続き活用して、雇用市場の賃金や求人の動向について洞察を深めていくことを予定しています。これにより、求職者や企業にとって有益な情報を提供し、より良い労働市場形成に貢献することを目指しています。
5. 会社概要
Finatextグループについて
Finatextグループは、金融をサービスとして再発明することをミッションとして掲げています。次世代の金融インフラを通じて、組込型金融の実現を目指すフィンテック企業です。傘下には、ユーザー視点で再考した金融サービスを提供する「株式会社Finatext」、オルタナティブデータ解析サービスを展開する「株式会社ナウキャスト」などがあります。
株式会社ナウキャストについて
ナウキャストは、2015年に設立されたオルタナティブデータのリーディングカンパニーです。東大の研究プロジェクトを前身に持ち、ビッグデータ解析を通じて企業の業務支援を行い、国内外の金融機関など250社以上にサービスを提供しています。
6. 結論
求人ビッグデータの分析を通じて、より良い労働市場を形成するための有益な情報を提供していくナウキャストの取り組みは、求職者にとっても企業にとっても重要な意味を持つものです。今後の動向に乞うご期待です。