福山の防災訓練
2025-12-02 10:07:45

ドローンを駆使した福山市の画期的な防災訓練の全貌

ドローンを駆使した福山市の防災訓練



2025年11月23日、内閣府と広島県、福山市などが協力し、ドローンを活用した大規模防災訓練が福山市中条学区で行われました。この訓練では、ドローン4機を同時に運用し、災害時の実用的な活動を事前にシミュレーションしました。特に注目されたのは、約3km離れた孤立地区への物資輸送や、ドローン搭載のスピーカーによる双方向コミュニケーションなど、実践的な訓練内容です。

背景



近年、豪雨や地震などによる災害が多発し、孤立集落の発生が懸念されています。特に2024年の能登半島地震では、多くの地域で道路が寸断され、物資輸送や安否確認が困難になりました。このような経験から、ドローンビジネスサポート協会は、平時からの訓練の重要性を再認識し、全国で様々な防災訓練を実施しています。

訓練の実施内容



訓練は、広島県福山市の中条学区にある中条小学校を拠点に行われ、約300名の地域住民や行政関係者、消防団員が参加しました。訓練では以下の内容が行われました。

1. 人文字「SOS」の確認訓練



訓練の初めに、住民約70名が三谷分校のグラウンドに「SOS」と書かれた人文字を形成しました。これを目指して、ドローンと防災ヘリコプターが上空から確認し、孤立状況を把握しました。このプロセスでは、リアルタイムで情報が中条小学校に配信され、自主防災組織が関係機関に孤立情報を伝達する手順も確認されました。

2. 双方向通信による安否確認



調査用ドローンにはスピーカーが搭載され、避難者への安否確認や状況確認の呼びかけが行われました。避難者は、ドローンのカメラを用いて、自身の状況を本部に伝えることができ、災害時における行動の重要性を学びました。

3. 物資輸送飛行の実施



大型物資輸送ドローン「FlyCart30」を使用して、水や食料など約20kgの支援物資が中条小学校から三谷分校へと運ばれました。このことで、孤立時の物資輸送の効率性が実証され、住民は連絡手段の確保といった緊急時の連携手順も確認しました。

4. 複数機体の同時運用



本訓練の最大の技術的なハイライトは、1台のPCによる4機同時制御の実施でした。この方式により、ドローンがそれぞれ異なるミッションを同時進行できることが証明され、災害時に効率よくドローンを運用する方法が示されました。

5. 遠隔自動運用の実証



ドローンポートを活用し、オペレーターが現場にいなくても遠隔地からドローンを自動で操作することができるデモも実施されました。この取り組みにより、将来的な災害時の自動運用体制が示されました。

今後の展望



本訓練の成果は、全国130の支部ネットワークを通じて各地の自治体へ展開される予定です。地域ごとの特性に応じた防災訓練の提供が行われることで、各地域での災害時対応力が一層高まることが期待されます。また、今回の訓練に参加した住民による「発見されやすい行動」の体験は、地域防災力向上に直結する重要な教訓となりました。

まとめ



ドローンを活用した福山市の防災訓練は、住民と行政が一体となった新たな防災の形を示しました。今後もこの取り組みが広がり、全国各地で有効な防災訓練が展開されることを期待します。未来の災害に備え、地域が連携し合い、強固な防災ネットワークを構築していくことが求められています。


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