おはぎとおむすびの名店『サザエ』がグッドデザイン賞を受賞
北海道から全国に愛されているおはぎとおむすびのブランド『サザエ』が、2025年度グッドデザイン賞・ベスト100を受賞しました。本記事では、リブランディングの過程や成功要因、さらに創業からの愛しい歴史について紹介します。
『サザエ』の誕生と歴史
『サザエ』は、1957年に函館の朝市に位置するサザエ食堂を起点に創業されました。当初、まかない料理として提供されていたおはぎが評判を呼び、次第におはぎ専門店としての形を成しました。創業者の野村とみさんは、漫画「サザエさん」という親しみやすいイメージを込め、明るい会社を目指して「サザエ」と名づけました。現在、北海道内に約59店舗を展開し、地域の人々に“サザエさん”的な愛称で親しまれています。
リブランディングの取り組み
長い歴史の中で商品の種類が増えていく中で、「何屋かわからない」という状態になっていた『サザエ』。この状況を打開するため、リブランディングがスタートしました。過去の原点である「おはぎ」と「おむすび」に焦点を併せ、ブランドを再構築。「手のひらに、想いをのせて。」という新しいブランドコンセプトを設定し、商品数を約2/3に減少させながらも、主力商品のラインアップを強化。パッケージデザインやコミュニケーションツールの一新を通じて、ブランドの世界観を統一しました。
リブランディングの成果
リブランディングの結果、全体の店舗売上は前年比で大きく伸び、主力商品である「おはぎ」と「おむすび」は2024年11月時点で前年同月比141%増を達成。さらに、WEBのアクセス数は月間3,477PVから335,919PVに増加し、その成長は顕著です。地元メディア、札幌テレビ放送や北海道新聞などからも大きく取り上げられ、サザエは新しい元気なブランドとして多くの支持を受けています。
評価と未来への展望
グッドデザイン賞の審査委員からは、サザエが長い歴史の中で創業の精神に回帰し、ブランドの再構築に成功したとして高く評価されました。「おはぎ」と「おむすび」の象徴的なロゴを用い、顧客に一貫したメッセージを伝えるデザインは、特に若い世代に受け入れられています。北海道の食文化を未来に繋ぐ持続可能なモデルとして、今後も期待が寄せられています。
代表者の思い
サザエ食品の代表取締役社長、石水創氏は、リブランディングを通じて受賞したことを心から喜んでおり、おはぎやおむすびが持つ意味を再確認する機会と捉えています。「手のひらに、想いをのせて。」の言葉を胸に、北海道の豊かな恵みと食卓を彩る笑顔を未来に届けていく意欲を語ります。
また、ブランディングを手掛けた株式会社エイトブランディングデザインの代表、西澤明洋氏も、地域に根付いた企業のリブランディングを成し遂げたことに喜びを感じており、今後も北海道の食文化に貢献していく姿勢を示しています。
まとめ
『サザエ』のリブランディングとグッドデザイン賞受賞は、単なる成功事例にとどまらず、地域に密着した企業がどのように時代に合わせて歩んでいくかの指針のようなものであり、今後の展開が非常に楽しみです。おはぎやおむすびを通じて、北海道の食文化が未来に受け継がれていく様子を、ますます目にすることができそうです。