次世代車載ソフト
2025-07-01 13:10:28

QNXとベクターが連携、次世代車載ソフトウェアプラットフォームを開発へ

QNXとベクターが共同開発する車載基盤ソフトウェアプラットフォーム



近年、自動車業界はソフトウェアの複雑化が急速に進んでおり、その影響でイノベーションのスピードが鈍化しています。そんな中、カナダのブラックベリー社の事業部門であるQNXと、ドイツのベクターインフォマティク社は基本合意書を締結し、次世代の車載基盤ソフトウェアプラットフォームの共同開発をスタートすることを発表しました。このプラットフォームは、ソフトウェア定義型自動車(SDV)の開発を加速し、車載ソフトウェア統合の複雑さを軽減することを目指しています。

戦略的アライアンスの意義



QNXとベクターの提携は、両社の強みを活かすことで業界のニーズに応える重要なステップとされています。ベクターの高信頼ミドルウェア技術とQNXの安全認証を取得したオペレーティングシステム(OS)が融合されることで、性能や安全性、使いやすさが向上。その結果、OEM(製造業者)はソフトウェアの重複開発や再作業を減らすことができ、研究開発から市場導入までのリードタイムを短縮することが可能となります。

このプラットフォームは、次世代の電子制御ユニット(ECU)でのアプリケーション開発もサポートし、軽量かつ高信頼のコア基盤として機能します。さらに、プラットフォームの拡張性も高く、TTTech Autoの技術である「MotionWise Schedule」を活用することで、スケジューリングの柔軟性が向上し、多様なアプリケーションに対応できるようになります。

車載ソフトウェアの未来



QNXの最高執行責任者であるジョン・ウォール氏は、今回の提携が自動車業界におけるソフトウェア開発の効率化に寄与すると語っています。彼は、「このプラットフォームにより、OEMはユーザーに提供する『体験価値』の創出に専念できる環境を整えることができる」と述べています。

一方、ベクターのマネジングディレクター、マティアス・トラウブ氏は、「このコラボレーションにより、安全性と拡張性を兼ね備えたプラットフォームを提供し、次世代のインテリジェントカー構築の台座とする」と期待を述べています。両社の協力により、自動車業界の新たな基準となることが目指されているのです。

業界での早期展示と今後の展望



この新たな基盤ソフトウェアは、早期アクセス版が2025年後半から一部パートナーに提供される予定で、初期プロトタイプ開発や統合検証が行われることになります。完全版は2026年末までにリリース予定で、業界標準の安全性及びサイバーセキュリティ規格を満たした形式で提供されます。

また、6月24日から25日にかけて行われる「Automobil-Elektronik Kongress」では、この新プラットフォームのデモが行われる予定です。QNXとベクターは共同で、さらに技術的かつ戦略的なインサイトを提供し、自動車業界における進化を加速していくことでしょう。

まとめ



QNXとベクターの連携によって開発されるこの次世代ソフトウェアプラットフォームは、自動車業界における革新の一助となることが期待されています。OEMは新たな開発基盤を活用し、ますます複雑化する市場に対応していくことが求められます。これにより、安全性やセキュリティを維持しながらも、迅速に変化する顧客のニーズに応えられるようになるでしょう。今後の展開に注目です。


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