CaccoとNTTデータが手を組み、EC業界の不正対策を強化
日本国内でのEC市場が拡大する中、クレジットカード不正利用の被害が深刻化しています。このような中、かっこ株式会社(Cacco)は、株式会社NTTデータと業務提携を結び、クレジットカード不正対策を強化する新たな取り組みを発表しました。この提携により、両社は共にEMV3-Dセキュア(EMV 3DS)を基にした不正対策を実現し、高度な不正検知能力を備えた安全なネット通販環境を作り出していく予定です。
業務提携の背景と狙い
2025年3月から全てのEC事業者にEMV 3DSの導入が求められる中、すでに62%の事業者が導入を完了しています。このことからも、業界全体での不正対策の強化が急務とされています。NTTデータは、カード会社向けに本人認証基盤「ACS」を提供しており、多くの主要クレジットカード会社において利用されています。一方、Caccoは、累計12万サイト以上のEC事業者に対して不正検知サービス「O-PLUX」を提供し、オンライン取引の安全性を確保しています。
この提携は、両社がこれまで築いてきた技術と知識を活かし、より高精度な不正検知を実現する一歩と言えるでしょう。「O-PLUX」を通じて、各事業者はオンライン取引におけるリスクをより早く、正確に把握できるようになると期待されています。
EMV 3-Dセキュアの仕組み
EMV 3DSは、オンラインでの決済時にカード会員の本人認証を行うための国際基準です。加盟店、決済ネットワーク、カード発行会社(イシュアー)の三者が連携して本人認証を行います。この中で、ACSはカード発行者側で安全に認証処理を行うための中核システムです。提携後、CaccoはNTTデータと協力し、このACSに関連する機能を強化し、ユーザーの利便性と安全性を両立させた決済体験を提供します。
かっこ株式会社代表のコメント
Caccoの代表取締役社長、岩井裕之氏は、今回の提携について「NTTデータ様との連携は、当社が培ってきた協業の成果をさらに深化させるもので、クレジットカード決済領域におけるリスク検知の精度を強化し、オンライン取引におけるユーザーの安心感を高めることを目指します」と語っています。この意気込みからも、業界全体の信頼性向上に向けた取り組みが感じられます。
Caccoの企業理念
Caccoは、「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」というビジョンを掲げ、お客様の課題解決に向けた多様なソリューションを提供しています。SaaS型の不正検知サービスを中心に、さまざまな業種のデータ活用を促進し、コスト削減や業務効率化に貢献しています。今回のNTTデータとの連携を通じて、EC業界全体の健全な成長にも寄与することを目指していくことでしょう。
この業務提携を機に、今後のEC市場における不正利用対策がどう進展していくのか、注目が集まります。安全なネット通販環境の実現に向け、CaccoとNTTデータの取り組みから目が離せません。