NECがZoom Phone導入による業務効率化とコスト削減を実現
日本電気株式会社(NEC)は、2025年の春に約11万人の国内従業員を対象にクラウドPBXサービス「Zoom Phone」を導入しました。この取り組みにより、なんと電話関連コストが約70%も削減されるという画期的な成果を上げました。
設立以来125年の歴史を誇るNECは、ICT業界でのリーダーシップを発揮してきました。同社は、自社を初のお客様と位置づけ、最新テクノロジーの活用を通じて得た知見を社会に還元する「クライアントゼロ」という理念のもと、通信やAI、生体認証、サイバーセキュリティなどの先端領域でDXを推進しています。
変革の背景と第1歩
NECは現在、コミュニケーション改革を段階的に進めており、最初の取り組みは「ロケーションフリー環境」の整備でした。この環境においてZoom Meetingsを活用し、場所に縛られない円滑なやりとりを実現しました。
次のステップとして選ばれたのがZoom PhoneによるPBXのクラウド化です。コロナ禍において、オフィスにいなければ業務を続けられない固定電話の限界を痛感し、また設備面での課題も背景にありました。AI時代に向けたコミュニケーションデータの蓄積と分析へのニーズも高まり、クラウド化への移行が促進されました。
Zoom Phoneの選定理由
NECは2023年からZoom Phoneのリプレイス検討を始め、以下の理由から同サービスを選びました。
1.
音質:安定したネットワーク下の音質は他社と大差ないものの、不安定な環境下においてもZoom Phoneの音質は際立っていました。
2.
シンプルな操作性:直感的なUIにより、スムーズに操作でき、トラブルが起きにくいという点も大きな魅力です。
3.
コストの最適化:初期費用と運用コストを両方で削減でき、将来的なデータ活用においても追加費用が発生しないため、選定の大きなポイントとなりました。
大規模導入によるメリット
NECの全国各地の拠点に点在していたPBX環境の実状調査から始まり、部門ごとのニーズを確認しながら、約10ヶ月で11万人の移行を完了しました。Zoomの技術サポートも移行を支え、スムーズに進められました。
導入後、従来の固定電話だけでなくスマートフォンからも通話に応対できるようになり、管理部門では通話の利用状況をリアルタイムで把握できるようになったことも大きな利点です。最終的にオンプレミスPBXの撤廃と通信回線の最適化によって、社内設備は大幅にスリム化され、電話関連コストは従来の70%削減を達成しました。
データドリブン × 生成AIの新たなステージへ
NECのコミュニケーション改革は、次の段階として「データドリブン × 生成AI」へ進化しています。AIを活用した業務効率化に加え、メール履歴やプロジェクトファイルといった社内のデータと自社開発の生成AI「cotomi」との連携を図り、ナレッジの再構築を計画しています。
このナレッジ基盤の構築には、Zoomをはじめとするコミュニケーション基盤が不可欠です。Zoomから得られるコミュニケーションデータは、新たなサービスとの連携を通じて新たな価値創出を期待されています。
Zoomとのパートナーシップは、NECが描く「AIネイティブな働き方」を支える重要な要素となっています。
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