企業を支える新たなセキュリティソリューション、レンズが8.44億円を調達

株式会社レンズが実現するリスク管理の未来

最近、株式会社レンズが総額8.44億円の資金調達を成功させたことが発表され、注目を集めています。この資金は、同社が新たに提供を開始する企業向けSaaS「Lens RM」の開発と普及を加速するためのものです。株式会社レンズは、ガバナンス・リスク・コンプライアンス（GRC）および情報セキュリティの領域で企業活動を支えるサービスを提供する企業です。

資金調達の背景と目的

レンズの主要な投資家はCoral Capitalで、他にもCoreline VenturesやDG Daiwa Ventures、マキナレコードが参加しています。レンズは2023年8月より、企業が直面するリスクやコンプライアンス、セキュリティ対応の課題を解決するため、委託先管理を効率化するSaaS「Lens RM」を提供し始めました。

この新しいサービスは、すでに金融機関や大手企業に導入されており、企業が直面するリスク管理や情報セキュリティのプロセスをデジタル化し、高度な評価を支援しています。この取り組みは、少子高齢化による人材不足や、専門性を有する人材の確保の難しさ、そして社会が求める水準の向上といった課題に応えるものです。

現代企業が直面する課題

現在、多くの企業がガバナンス・リスク・コンプライアンス・セキュリティ業務の業務負荷に悩まされています。具体的には、経済安全保障の観点から、2022年5月に日本政府が公布した「経済安全保障推進法」や、2024年には金融庁から公表されるサイバーセキュリティのガイドラインなど、法規制が厳しくなっていることが背景にあります。また、サプライチェーン全体を通じたリスク管理における重要性も増しており、企業は適切な対策を講じる必要があります。

投資家の期待と評価

Coral Capitalは、セキュリティ違反のリスクが拡大している現状において、レンズの提供するサービスがリスク管理やセキュリティオペレーションを改善すると評価しています。また、Coreline Venturesは、専門的なノウハウを持つレンズのチームが難解な業務を体系化し、新たな業界基準を確立していくことを期待しています。DG Daiwa Venturesも、個人情報保護やセキュリティ対策の必要性が高まる中で、レンズのソリューションが委託業務管理の負担を軽減することに寄与すると考えています。

創業者と企業ビジョン

レンズの代表取締役、伏見慎剛氏と野澤貴氏は、いずれも様々な企業での経験を持つ実力派です。伏見氏は、リクルートやOrigamiでの新規事業開発を経て、メルカリ執行役員として活躍しました。また、野澤氏は、モバイルアプリ開発や情報セキュリティの分野での経験を持ち、企業向けリスク管理に特化したプロジェクトに取り組んでいます。

これらの経験を活かし、レンズは「安心・安全な社会の実現」をテーマに、企業のリスクマネジメントを高度化させ、持続可能な社会の構築を目指しています。