ニフコの革新的な技術が評価される
株式会社ニフコが、国際的なプラスチック技術意見団体であるSPE(Society of Plastics Engineers)の主催する「SPE Automotive Innovation Awards 2025」において、同社が開発した『パッキンレス・バンパーリテーナー』がChassis/Hardware部門で最優秀賞を獲得しました。この受賞は、自動車メーカーのトヨタ自動車との共同の成功を実証するものです。
SPE Automotive Innovation Awardsとは
この賞は、自動車業界における革新的なプラスチック技術を表彰するもので、54回目となる今年の授賞式はアメリカ・ミシガン州で行われました。数多くの自動車メーカーや部品メーカー、樹脂メーカーが参加し、それぞれが新たな部品やシステム、完成車を出展する機会となっています。
受賞したパッキンレス・バンパーリテーナーとは
ニフコが開発したパッキンレス・バンパーリテーナーは、2024年の夏に北米市場で販売されるトヨタのCrown Signia(日本名:CROWN ESTATE)に初めて搭載されることになります。このリテーナーは、自動車のバンパーを車体に取り付けるための重要な部品であり、特にその革新的な設計により、電動工具を必要とせず、樹脂製のピンを利用したワンタッチ締結を実現しています。
従来の設計では、ゴムパッキンを介することで水漏れを防いでいましたが、ニフコの製品はゴムパッキンの代わりに、一体成形された薄肉フランジとグロメットを使用することで、優れた止水性能を実現しています。これにより、製造過程での二酸化炭素の排出量を削減し、サーキュラーエコノミーにも貢献することが評価され、同社は今回の受賞に至りました。
環境への配慮と今後の展開
ニフコの技術は、単一の素材で構成されていることから、廃棄物の削減にも寄与しています。さらに、このパッキンレス・バンパーリテーナーの締結構造は、他の車両への流用が可能であり、今後CROWN ESTATE以外のモデルにも搭載される予定です。この広がりにより、環境性能の向上に寄与することが期待されています。
ニフコのビジョン
ニフコは「小さな気づきと技術をつなぎ、心地よい生活と持続可能な社会を創造する」という理念のもと、今後も様々な製品の開発に取り組んでいきます。社会や顧客のニーズに応じた製品を通じて、環境・安全・快適さを実現し、持続可能な未来の構築に貢献することを目指しています。
まとめ
ニフコのパッキンレス・バンパーリテーナーは、革新的な技術が光る製品として引き続き注目されます。環境の持続可能性と効率性を両立させたこの新技術は、今後の自動車産業においても重要な役割を果たすことでしょう。自動車業界の未来をさらに明るいものにするため、ニフコの挑戦から目が離せません。