日本のクラフトビール文化を再構築する試み
株式会社クラフトビールインクが、幕末の化学者であり日本初のビール醸造者とも言われる川本幸民のビールを復刻するプロジェクトを発表しました。この「川本幸民ビール復刻プロジェクト」は、川本の活動を現代に甦らせ、日本のビール文化を再認識する大きな試みです。
 川本幸民とは?
川本幸民(かわもと・こうみん)は、江戸時代末期に活躍した化学者で、日本で初めて「化学」という言葉を使用した人物として著名です。彼はオランダの科学書を翻訳・研究し、西洋の化学や物理、医薬の知識を日本に伝えました。その影響は甚大で、日本の近代化に寄与したと言われています。
特に1853年に著された『化学新書』には、エールとラガーの二つのビール製造法が紹介されており、彼が日本人として初めてビール醸造に挑戦した記録が残っています。川本は実際に醸造を行い、そのプロセスを記録したことで、彼が「日本最初のブルワー」としての地位を確立しています。
 プロジェクトの目的と方法
「川本幸民ビール復刻プロジェクト」では、川本が残した文献に基づき、当時の原料や製造環境を可能な限り再現しつつ、最新の醸造技術を用いてビールを復刻するのが目的です。ただ復元するだけでなく、科学と文化が交差する「ものづくりの原点」を味として現代に伝えることを目指しています。
 共創の理念
本プロジェクトはオープンな文化活動として進行し、ブルワリーや企業、団体からの参加表明やコラボレーションを広く募っています。川本の知識共有の精神を受け継ぎ、日本のビール文化の新たなページを共に紡げる仲間が求められています。
進行中の記録や研究成果の一部は今後公開される予定で、レシピも含まれるため、同じビール愛好者や醸造家と共に学びを深めていくことができるでしょう。
 代表の思い
このプロジェクトの代表である田中悟志は、「川本幸民の探求心と創造力は、現代のクラフトビール文化に通じています。当時の知恵と情熱を再び形にし、飲む人がその歴史を感じ取れるビールを提供することで、この挑戦を未来に向けて共有していきたい」と語っています。
 今後の展望
「Japan Craft Beer Movement」におけるこのプロジェクトは、今後日本各地の歴史や文化に根差したビールづくりをテーマにした企画を展開していく予定です。ビールを通じて文化、科学、創造を結びつけ、日本のクラフトビールの魅力を国内外に広めていくことに努めます。
 会社概要
- - 会社名:株式会社クラフトビールインク  
- - 所在地:東京都中央区  
- - 代表取締役:田中悟志  
- - 設立:2023年  
- - 事業内容:クラフトビールの企画・製造・輸出入、飲料・文化関連事業  
- - 公式サイト:クラフトビールインク
このプロジェクトを通じて、日本のビール文化に新しい息吹を吹き込むとともに、次世代へと繋ぐ架け橋となることを期待しています。
