NSKのCFP算定報告書について
日本精工株式会社(NSK)は、環境意識の高まりに応じて、業界初となるカーボンフットプリント(CFP)算定報告書を発表しました。この報告書は、2024年10月に登場する工作機械用の低フリクションボールねじ「MT-Frix™」の環境負荷を明らかにしたものです。環境負荷の「見える化」は、今日の製造業においてますます重要な要素となっています。
CFP開示の重要性
CFPは、製品単位での温室効果ガス排出量を数値的に示す指標です。この開示は、企業が環境負荷低減に向けた努力の一環として、自社製品の環境価値を示すための重要な手段となります。特に国際市場では、サプライチェーン全体での環境情報の開示が求められており、CFPの開示があることで企業の国際競争力も向上します。
NSKの取り組み
NSKは、製品のライフサイクル全体でのCO₂排出量削減に取り組んでいます。例えば、軸受業界では2025年にCFP算定報告書を公開し、環境に優しい製品を開発しました。ボールねじの分野でも、「MT-Frix™」の開発を進め、動摩擦トルクを大幅に削減しています。このことにより、製品の使用段階でのCO₂排出を削減し、環境への負担を軽減しています。
EMO Hannover 2025への出展
NSKは、2025年9月に開催される欧州最大の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」において、「MT-Frix™」を展示します。ここでは、環境ニーズの高い欧州市場に対して、NSKの環境配慮型製品を積極的にアピールしていく予定です。
報告書の内容
新たに公開されたCFP算定報告書では、以下の内容が含まれています:
- - 算定の目的
- - 対象製品及び算定単位
- - 対象とする温室効果ガスの種類、ライフサイクルにおける影響
- - 使用したデータの詳細
- - 算定結果
これにより、NSKの製品がどのように環境負荷を管理しているのかが明確に示されています。
今後の展望
NSKは、2035年度までに自社のCO₂排出量を実質ゼロにすることを目指しています。そのために、環境貢献型の製品開発や省エネ活動を推進し、技術革新による生産効率化、さらには再生可能エネルギーの利用を拡大していきます。これにより、カーボンニュートラル社会に向けたさらなる進展に貢献していく考えです。
NSKの歴史とビジョン
NSKは、1916年に日本で初の軸受を生産以降、100年以上にわたり産業の発展を支えてきました。世界30カ国以上に拠点を持ち、軸受の分野で国際的なリーダーシップを発揮しています。「MOTION & CONTROL™」という企業理念のもと、地球環境保全に貢献しつつ、社会との調和を目指しています。ビジョン2026に掲げた「新たな動きをつくる」という目標を達成するため、引き続き社会貢献に努めていきます。