電通総研がDoma利用支援ツールを開発しオープンソースへ寄贈

電通総研が開発したDoma利用支援ツール

近年、テクノロジーの進化によって、企業や社会のあり方が大きく変化しています。その中で、ソフトウェア開発においては、効率的で安全なデータベースアクセスが求められています。そんな中、株式会社電通総研がオープンソースのJava向けデータベースアクセスフレームワーク「Doma」の新たな利用支援ツールを開発し、2025年6月10日（火）にオープンソースコミュニティへ寄贈することが発表されました。この取り組みは、企業と開発者の生産性向上を目指したものです。

Domaの概要

「Doma」とは、Javaでデータベースにアクセスする際に使用されるフレームワークで、データの保存や取得をスムーズに行えることを特徴としています。特筆すべきは、JavaコードとSQL文を明確に分ける設計により、開発者の作業が軽減される点です。また、SQLインジェクションと呼ばれるセキュリティ脆弱性を防止する機能も備えており、安全なデータベースアクセスを可能にします。

開発の背景

電通総研は、2009年に「Doma」をオープンソースコミュニティに寄贈以来、継続的にフィードバックを受けながら進化を続けてきました。その中で、社内でも「Doma」の活用が広がり、エンタープライズアプリケーションプラットフォーム「aiuola」やマイクロサービス開発基盤「M5」にも採用されています。今後「Doma」をさらに発展させるために、利用支援ツールの開発を決定しました。

利用支援ツールの特長

今回、電通総研が発表した利用支援ツールは、開発におけるJavaとSQL間の連携を支援する「IntelliJ IDEA」とのプラグインです。その特長は以下の通りです：

1. シームレスな遷移: JavaメソッドとSQLファイルの名付け規則に基づいて、ショートカットキーを使用して両者間を簡単に行き来できます。

2. リアルタイムエラーチェック: SQLからJavaメソッドのパラメータをバインド変数として使用する際、自動で候補を提示し、存在しないパラメータには即座にエラーが出るため、開発ミスを防ぎます。

3. シンタックスハイライトとフォーマット: SQLステートメントは自動的にハイライト表示され、Doma特有のディレクティブも視認性が高いです。「Reformat Code」機能を活用することで、SQLのフォーマットも容易に行えます。

未来に向けた取り組み

電通総研は、利用支援ツールの開発を今後も続け、オープンソースコミュニティの活性化を図ります。テクノロジーの発展を通じてより多くの開発者が「Doma」に関与できる基盤を構築し、持続可能な社会を実現するための取り組みを推進していきます。企業ビジョンである「HUMANOLOGY for the future」の下、テクノロジーの力を借りて新しい価値を創造していくことを目指しています。

このように、電通総研が手掛けるDomaの利用支援ツールは、ソフトウェア開発の効率性と安全性を大きく向上させる期待が寄せられています。これからも「Doma」の発展に注目していきたいと思います。