SynologyがDiskStation Manager 7.3を発表
2025年10月8日、東京にて、ストレージソリューションのリーダーであるSynologyが最新のDiskStation Manager(DSM)7.3を発表しました。企業のデータが急増する中、ストレージの効率性、セキュリティ、そして生産性向上に向けた新機能が多数搭載されています。
ストレージ効率の向上
DSM 7.3に導入された「Synology Tiering」機能は、データのアクセスパターンに応じて、効率的にストレージを管理します。この機能は、頻繁に使用されるデータを高性能なストレージに自動で移動し、あまり使用されないデータはコスト効率の良いメディアに保管します。ユーザーは、データの移動に関して、変更日時やアクセス頻度に基づいてカスタマイズ可能なポリシーを設定でき、ストレージ管理の柔軟性が大幅に向上します。
セキュリティ強化の取り組み
セキュリティは、DSM開発の最優先事項です。過去1年で、50件以上のセキュリティ更新が行われており、DSM 7.3では業界標準のリスク指標であるKEV、EPSS、LEVが新たに採用され、脅威の優先順位付けと保護が強化されています。信頼性の高い環境でのデータ管理を提供するために、Synologyは不断の努力を続けています。
コラボレーション機能の進化
コミュニティのニーズに応じた改善がなされたOffice Suiteでは、Synology Driveに新機能が追加されました。これにより、ファイルの共有ラベルが強化され、ファイルリクエストが簡素化され、ファイルロック機能も向上しました。チームでのコラボレーションを促進するための取り組みが進んでおり、コミュニケーションの利便性が格段に上がります。また、MailPlusも更新され、メールのセキュリティ強化とドメイン共有機能が実装されています。
AI活用の新たなステージ
2025年8月にリリースされたSynology AI Consoleは、すでに43万台以上のシステムで導入され、オンプレミス環境でのAI活用を実現しています。この度のDSM 7.3では、カスタムデータマスキングやフィルタリング機能が追加され、機密データを保護したまま外部AIプロバイダーとの連携が可能になりました。今後は、OpenAI互換APIにも対応する予定であり、プライベートAIインフラとの統合がスムーズに行えるようサポートします。
ストレージの柔軟性を拡大
Synologyは、品質の高いストレージシステムの提供に常に努力しています。ハードウェアとソフトウェアの両方で厳格な検証が行われ、同社のストレージドライブは、最高レベルの信頼性を提供する設計がされています。また、サードパーティ製ドライブの導入も進み、ユーザーにとっては選択肢が広がるでしょう。特に2025年モデルのDiskStation Plus、Value、Jシリーズでは、新たにサードパーティ製ドライブを使用したストレージプールの作成が可能になっており、これによりストレージ管理の多様性が増しています。
まとめと今後の展望
SynologyのDiskStation Manager 7.3は、ストレージ管理における新たなスタンダードを打ち立てるものです。データの効率的な管理、安全性の強化、AI技術の活用を通じて、ユーザーは将来的なデータ管理の課題に自信を持って対応することができるでしょう。現在、DSM 7.3はダウンロード可能ですので、詳細はリリースノートを確認してください。データ管理のさらなる進化に、ぜひご期待ください。