新たな光触媒技術の誕生
株式会社ユシロは、東京都大田区を拠点に、食品事業者向けに新たに開発した光触媒添加剤が、レジオネラ属菌および芽胞菌に対して有効な殺菌効果を持つことを明らかにしました。この試験は、特定非営利活動法人(NPO法人)バイオメディカルサイエンス研究会(BMSA)によって行われ、効果が確認されたのは大きな前進です。この添加剤は、冷却水を衛生的に保つための重要なツールとなるでしょう。
光触媒添加剤の特長
ユシロが開発した光触媒添加剤の最大の特長は、光のエネルギーを利用して菌の増殖を抑制できる点です。これにより、以下のような利点が提供されます。
1.
光の力で持続的な殺菌: 添加剤は防腐剤に依存せず、持続的な殺菌が可能です。また、食品成分100%で構成されており、食品に優しいプロダクトです。
2.
廃水処理コストの削減: チラーで使用することで、冷却水を下水排除基準に適合させることができ、コストや手間を効果的に削減できます。
殺菌効果の科学的証拠
レジオネラ属菌に対する効果
光触媒添加剤がレジオネラ属菌に対する殺菌効果を持つことが確認されました。この菌は特に空調や給湯システムにおいて増殖しやすいため、その影響を受けやすい環境では大きな衛生リスクとなります。試験は以下の条件で実施されました。
- - 試験機関: BMSA
- - 試験菌: Legionella qingyii
- - 照射条件: アルミホイルで遮光した暗条件で2時間静置後、750lxの明条件で2時間照射
これにより、光触媒添加剤がこのリスクを軽減することが期待されています。
芽胞菌に対する効果
さらに、芽胞菌に対しても殺菌効果を証明しました。芽胞菌は耐薬剤性を持ち、様々な環境で生存できるため、通常の手段での殺菌が難しいことが知られています。こちらの試験もBMSAによって行われ、効果が実証されました。
- - 試験機関: BMSA
- - 試験菌: Bacillus subtilis
- - 照射条件: アルミホイルで遮光した暗条件で6時間静置後、同様に750lxの明条件で6時間照射
期待される応用分野
今回得られたデータは、食品工場や医療機関、介護施設、ビル管理、水処理業界、さらにはデータセンターといったさまざまな分野での感染対策に役立つと考えられています。この新しい添加剤は、企業や組織が求める衛生環境の向上に貢献するでしょう。
バイオメディカルサイエンス研究会について
BMSAは1987年に設立され、感染症や公衆衛生の向上を目指しています。2000年にはNPO化し、2018年には認定NPO法人になりました。予防医学の向上とバイオセーフティ技術の発展に寄与しており、国内外で多くの活動を展開しています。
ユシロの企業概要
株式会社ユシロは1944年に設立され、金属加工油剤やビルメンテナンス製品の製造・販売を行っています。主に食品業界や医療機関など、多岐にわたる分野で使用される製品を提供しています。今後も光触媒技術を中心に、新たな市場の開拓が期待されており、消費者に安心を提供する製品開発を進めていく予定です。
公式ウェブサイト:
ユシロ公式HP
お問い合わせ: 03-3750-6781