東京・昭和建築さんぽの魅力に迫る
近年、私たちの散歩スタイルは大きく変化しています。単なるウォーキングにとどまらず、知識や歴史を楽しみながら街を巡る「知的な散歩」がブームとなっています。そんな流れの中、昭和時代のレトロな建物を目的とした街歩きが広がっています。特に、デジタル時代において「手触り」や「匂い」といったリアルな体験を求める若者たちに支持されています。
この度、株式会社大洋図書が11月7日(金)に発行する『東京・昭和建築さんぽ』は、まさにそんなニーズに応える一冊です。本書では「昭和の建物」を主役に据え、東京の街がどのように生まれ、そして変化してきたのかを解明した新しい街歩きガイドになっています。
昭和という時代の魅力
昭和は、戦前から始まり、戦後の復興、高度経済成長、バブルの時代を経て、崩壊と激動の歴史を抱えています。その約60年間の歴史は、色彩のない時代からカラフルな時代まで、様々な建物に記録されています。『東京・昭和建築さんぽ』では、上野や浅草、池袋など、見逃せない懐かしい建築物の情報を豊富な写真と共に紹介しています。
手触りと匂いを求めて
本書の特徴の一つは、庶民の知恵と建築家の哲学が交錯する街を掘り下げている点です。関東大震災後の復興期に生まれた「看板建築」は、その好例です。高価な煉瓦を避け、モルタルや銅板を用いた木造家屋は、庶民的ながら独創的な印象を与えます。復興のために全国から集まった大工たちの技術が融合し、戸袋ひとつにも地域性が表れています。
また、公共建築や高級な建物では、モダニズム建築が引き立つようになり、上野の国立西洋美術館がその代表例です。さらに、ニュー新橋ビルのカーテンウォールによって、ガラス張りの新しい時代の幕が開かれました。このように、昭和の建物はただの建物ではなく、当時の人々の文化や哲学が色濃く反映されています。
建物の存続と街歩きの楽しみ
しかし、どれほど優れた建物でも、永遠に残り続けるわけではありません。昭和から約100年が経過し、今、これらの建築物は次々と解体の危機に直面しています。本書は、単なる建物の紹介に留まることなく、各建物のコンセプトやポリシー、そして当時の人々の生き方を伝えてくれます。
『東京・昭和建築さんぽ』を手に取って散策することで、皆さんも街の成り立ちや文化の香りを感じることができるでしょう。消えゆく昭和の建築の記憶を、ぜひ自らの目で確認し、記憶に焼き付けてください。アナログな建築探求の旅が、ここから始まります。私たちの街、東京には、まだまだ多くの魅力が広がっています。昭和の建築を通じて、新たな発見を楽しんでいただければ幸いです。
書籍概要
- - 書名:東京・昭和建築さんぽ
- - 発行・発売:大洋図書
- - 発売日:2025年11月7日
- - 定価:2,090円(税込)
- - 判型:A5判
- - 仕様:総160頁
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