メタリアル・グループ、退職リスクを軽減する新AI「Metareal BM」を発表

メタリアル・グループが新たに提供するAIエージェント「Metareal BM」

2023年7月22日、メタリアル・グループの株式会社ロゼッタは、退職リスクを軽減し、その知識の流出を防ぐAIエージェント「Metareal ブレインミラー」（以下「Metareal BM」）を発表しました。本サービスは特にスタートアップ企業にとって、重要な人材の突然の退職によって発生する技術的断絶のリスクを軽減することを目的としています。

Metareal BMの仕組み

Metareal BMは、エンジニアのPR（プルリクエスト）頻度や独自コードの比率などのデータを解析し、離職の可能性を事前に予測します。さらに、大規模言語モデル（LLM）を活用して、エンジニアが記述したコードに関する解説ドキュメントを自動生成。完成度が85％に達した段階で、本人にレビューを依頼し、承認された場合にはインセンティブを提供します。
これにより、エンジニアのモチベーションを高めつつ、知識継承のプロセスを強化します。

開発の背景とニーズ

スタートアップ環境では、少数精鋭での開発が行われるため、一人のエンジニアが持つ専門知識がプロダクトの成功に直結します。しかしながら、優秀な人材の退職が開発をストップさせる要因となりうる現状があり、そのリスクは経営にとって重大な問題です。従来の方法では、退職後に対応が必要となるため、タイミングのずれが生じることが多く、経営リスクとなっていました。そこで、退職する前にその知識を複製するという発想からMetareal BMが生まれたのです。

Metareal BMの特長

1. 離職予測機能

PR頻度や独自コード比率をもとに、エンジニアの離職確率を算出。定期的に退職予兆スコアを更新し、早期対応を可能にします。

2. 自動生成されるコードドキュメント

エンジニアが生成したコードの自然言語による解説を自動生成し、構造や意図を明確にします。これにより、誰でも理解しやすいドキュメントを提供します。

3. モチベーションを高めるインセンティブ

レビュー承認と引き換えにインセンティブを付与することで、エンジニア自身のモチベーションを高め、退職前までのナレッジ保持を促進します。

4. 先手のナレッジ保全

従来の後手の対応を脱却し、退職の3ヶ月前から準備が整うように支援します。これにより、開発の継続性が確保されます。

利用シーンと対象者

Metareal BMの主な用途は、エンジニアの離職によるリスクを軽減したいAI・SaaSスタートアップのCEOやCTO、技術ドキュメントを整備したい開発責任者、早期に離職予兆を把握したい人事責任者などです。それに加え、技術の持続性を確認したい投資家にとっても重要なツールとなります。

今後の展望

メタリアル・グループは、生成AIシリーズの展開をすすめており、各業種ごとの特有のニーズに応じたAIソリューションを提供することに注力しています。社内のタスクや業務効率化を図るところから始まり、多方面でのAI活用の加速を目指しています。特に多くの業種に特化したコンサルティングを提供し、「現場に最適なAI」の実現を目指す姿勢を持っています。