アルフレッサ株式会社は、医薬品の流通を担う大手の社会インフラ企業として、2025年11月にスペイン・バルセロナで開かれる「Smart City Expo World Congress (SCEWC)」に参加します。このイベントは、世界中の自治体や企業がスマートシティ関連の最新の取り組みを発表する場として知られています。アルフレッサは、つくば市と連携し、健康データを活用した新しい食生活改善サービスを紹介する予定です。
「個人の健康データを活用した食生活改善サービス」とは具体的にどのようなものでしょうか。このプロジェクトは、つくば市政策イノベーション部や、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、そして沢井製薬株式会社との共同開発によるものです。国民が抱える生活習慣病予防を目的として、パーソナルヘルスレコード(PHR)を活用した個別の食事提案が行われます。
PHRとは、体重や血圧、血糖値などの個人情報を記録した健康データのことです。このデータをもとに食事内容を解析し、日本人の食事摂取基準に即した食材やその摂取量を提案する仕組みになっています。現在、オンライン栄養指導を含む実証事業が進められている中、一般の利用者に対してその有効性が検証されています。
スマートシティの取り組みは非常に多様で、全国の自治体がデジタル化や環境対応、モビリティの向上を目指しています。SCEWCでは、140か国以上からの2万人を超える来場者と1,000社以上の出展が予定されており、持続可能で住みやすい都市の実現に向けた国際的な交流が期待されています。
アルフレッサは2004年の設立以来、医療用医薬品の供給を中心に、医療機器や検査試薬、栄養食品を扱う事業を展開してきました。ビジネスモデルは、全国約170の拠点を活かして地域に根ざしたサービス提供に注力しています。各地域に特有のケアシステムを構築し、医療現場の業務効率化や質の向上に寄与する活動が評価されています。
このようなプロジェクトの一環として、アルフレッサは「つくばスーパーサイエンスシティ構想2.0」を引き続き推進しています。この構想は、地域におけるITと健康データの連携による新しい価値の創造を目指しており、食生活の改善を通じて健康を支援する社会を実現しようとしています。
最終的に、アルフレッサが提供するサービスは、個々の健康を見守るだけでなく、地域全体の健康促進にも寄与するものと期待されています。今後の展開に注目が集まります。