未来の土木を支える橋梁補強ロボットの登場
日本では、地震による被害を軽減するために橋梁の耐震補強が重要です。この度、株式会社人機一体と株式会社竹中土木が共同開発した「人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0」が、2025年12月に東京ビッグサイトで開催される国際ロボット展に出展されることが決定しました。このロボットは、耐震補強用鋼製ブラケットの取付作業を効率的に行うことを目的としています。
開発背景と目的
人機一体と竹中土木は、2022年12月に資本提携を結び、土木現場へのロボット技術の導入を進めています。「ロボットが拓く、新たな土木」をテーマに、彼らは「人機プラットフォーム」という知的財産活用サービスの一環として、耐震補強に特化したロボットの開発を開始しました。
橋梁の耐震補強工事では、重い鋼製ブラケットを設置する際、従来の方法では作業に人数が必要で、高所作業のリスクを伴いました。このプロジェクトでは、手作業を減らし、安全かつ効率的な作業を目指しています。
従来工法の課題
従来の工法では、橋梁の耐震補強工事においてクレーンを使用し、高所でのナットの微調整を手作業で行うため、作業効率と安全性が問題視されていました。作業にはおおよそ120分かかっており、その間に発生する危険も少なくありませんでした。それに対し、人機スチュワートプラットフォームは、作業時間を約30分に大幅に短縮できるとされています。
人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0の特徴
このロボットは「ナット仮締結システム」「ブラケット把持システム」「スチュワートプラットフォーム」に分かれて構成されています。特に7自由度のロボットアームを搭載したナット仮締結システムは、ブラケットを正確な位置に取り付けるために設計されています。
さらに、ブラケット把持システムでは電磁石を使用して、様々な形状のブラケットを安全に把持・設置することが可能です。そして、スチュワートプラットフォームは、荷重を安定して支持しながら、高精度な位置調整を実現します。これにより、クレーンと併用し、高所作業における新たなソリューションを提供します。
今後の展望
2025年の国際ロボット展にて、このシステムが初めてラフテレーンクレーンに取り付けられた状態で実演される予定です。さらに、2026年には実際の現場での利用を目指し、さらなる実証試験を行う予定です。これにより、現場での安全性や作業効率が大幅に改善されることが期待されています。
情報展開
この開発は、橋梁耐震補強に新たな風をもたらすものであり、今後の動向に注目が集まります。
「人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0」は、技術革新を通じてより安全で効率的な土木工事を実現するための重要なステップとなるでしょう。東京ビッグサイトでの展示にご期待ください!
展示情報
- - イベント名:2025国際ロボット展(iREX2025)
- - 会期:2025年12月3日(水)〜6日(土)
- - 会場:東京ビッグサイト東7ホール、ブースE7-61
包括的なロボット技術の進展を通じて、未来の土木現場を変革する「人機スチュワートプラットフォーム」にご注目ください。