新菱冷熱とKAICO、カイコを活用した新ビジネスモデル構築へ
2025年2月28日、新菱冷熱工業株式会社とKAICO株式会社は、カイコを活かしたビジネスモデルの構築に向けた基本合意書を締結しました。この提携により、両社はカイコの飼育から加工、商品開発、販売に至るまでのサプライチェーンを一体化させ、効率的な製品供給を実現します。
カイコの技術革新
新菱冷熱は、カイコの大量飼育を目的とする「スマート養蚕システム」を開発。他方、KAICOはカイコの体内で特定のタンパク質を生成する技術を持ち、特に医薬品や診断薬、新薬の開発に目を向けています。今回の合意により、両社は各々の強みを活かした製品開発を進めます。
主な取り組みのひとつとして、KAICOは「KAICO Powder」という飼料添加物の生産を開始します。この粉末は、豚の免疫力を維持する成分が含まれており、飼料に混ぜて使用することで、健康をサポートします。
KAICO Powderの生産と販売
カイコのサナギを用いて製造されるこの「KAICO Powder」は、4月からベトナム市場で販売が開始される予定です。新菱冷熱が安定してサナギを供給することで、KAICOは、生産の計画を通年で実現可能となり、飼料市場への影響が期待されます。
両社の未来に向けたビジョン
今回の提携は、単なるビジネスの枠を越え、カイコの利活用を通じた価値創造を目指すものです。今後、新菱冷熱はカイコを用いたバイオ医薬原材料の供給に注力しつつ、KAICOは「ヒトの経口ワクチン製造」にフォーカスしていきます。
この競争力ある技術の融合が、今後のヘルスケア産業への革新をもたらすことに期待が寄せられます。両社による新しい市場の開拓が、伝統的な産業にも新たな息吹を吹き込むことでしょう。
会社概要
新菱冷熱
新菱冷熱は1956年に設立された企業で、空調や電気、給排水衛生関連のエンジニアリングを手掛けています。特に、カイコの養殖においては、空気調和技術を駆使した養蚕装置「MayuFacture®」の開発に成功し、2022年には「まゆラボ」というカイコの飼育施設を設立しました。
KAICO
KAICOは、九州大学からスピンオフしたベンチャー企業で、カイコを利用したタンパク質の開発に取り組んでいます。彼らのミッションは、「蚕で世界を変える」であり、経口ワクチンや新薬の開発を進めています。特許取得を通じて、医療分野での革新を目指しています。
今後の両社の成長に注目し、カイコが健康産業で果たす役割に期待しましょう。