株式会社商船三井は、シンガポールのジュロン港において新造FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)を用いたプロジェクトファイナンス契約を締結しました。この契約には、株式会社国際協力銀行(JBIC)や三菱UFJ銀行(MUFG)、DBS Bank Ltd.を含む複数の金融機関が関与しており、2025年12月22日に正式に発効予定です。このプロジェクトは、シンガポールにおける初のFSRU導入を実現し、国内のほぼ全ての発電量を依存する輸入天然ガスの安定供給を支える重要なインフラとなります。
FSRUは、洋上で液化天然ガスを受け取り、その後再ガス化して陸上に送る浮体式設備です。この方法は、陸上設備を設けるよりもコストを削減でき、施工期間も短縮できるという利点があります。そのため、シンガポールにとって最適な選択肢と言えるでしょう。プロジェクトの実施は、エネルギー供給の多様化の一助となり、持続可能な発展を目指す同国にとって重要なステップです。
商船三井は、単なる海運業にとどまらず、エネルギーインフラの整備を通じて、地域社会及び経済全体に貢献する社会インフラ事業を展開しています。また、このプロジェクトは、脱炭素化や環境保全に向けた各社の理念の一致により実現し、公共性の高いエネルギーインフラを国際的に協力して整備する意義を強調しています。
当社はグループビジョンとして、人・社会・地球の持続可能な発展を掲げ、技術革新とサービスの向上を通じて変わりゆく社会のニーズに応え続けることを目指しています。このプロジェクトもその一環であり、経営計画「BLUE ACTION 2035」に基づいた海洋事業や低炭素事業の拡大に寄与する取り組みとなります。
シンガポールのFSRUプロジェクトは、燃料供給の安定性を高めるだけでなく、地域経済の発展にも寄与し得る象徴的なプロジェクトとして注目されます。商船三井は、今後もサステナブルな未来のために青い海を声にして、多様な社会インフラの整備に取り組んでいく所存です。本プロジェクトの進展がもたらす影響に、引き続き目が離せません。