Lime日本代表が語る脱炭素都市の未来
2025年5月8日から10日にかけて開催されるアジア最大級のグローバル・スタートアップカンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2025」で、Lime株式会社の日本代表であるテリー・サイ氏が登壇しました。このカンファレンスは、持続可能な都市をハイテクノロジーで実現することをテーマに、多様な視点からの議論が行われます。
テリー・サイのセッションの概要
テリー・サイは、5月8日のセッション「行動変容×テクノロジーで描く脱炭素都市の未来」において、グリーンモビリティの導入が都市の脱炭素化において果たす役割について議論を展開しました。このセッションでは企業の温室効果ガス(GHG)排出量の可視化や、テクノロジーを用いた生活者の行動変容促進についてのさまざまなアプローチが紹介されました。特に日本における99.9%が中小企業であるという特性を踏まえ、企業間の連携が重要であるという見解が強調されました。
テリー・サイ氏は、世界30カ国以上で事業を展開するLimeの取り組みにも触れ、都市の交通問題、特に東京における交通量やCO2排出問題への解決策を提案しました。「東京は素晴らしい都市だが、交通量や渋滞といった課題は依然として存在している」と指摘し、短距離移動におけるグリーンモビリティの重要性を強調しました。特に、東京の交通の60%以上が約10キロ以内の短距離移動であることから、ここでの電動モビリティの導入が持つ可能性について議論しました。
東京とグリーンモビリティ
テリー・サイ氏は、東京の都市設計における電動モビリティ専用の優先ルート、いわゆる“グリーンレーン”の導入が必要であると提案しました。さらに、現在整備が進められている一部の自転車レーンや、都市全体が環境に優しい移動手段を共有し合うことで、サステナブルな都市に進化する可能性を語りました。
SusHi Tech Tokyo 2025の意義
「SusHi Tech Tokyo 2025」は、「持続可能な都市をハイテクノロジーで実現する」というビジョンのもとで開催され、国際的なスタートアップや企業、行政関係者が東京に集い、最新のテクノロジーを用いた持続可能な価値創造について議論を深めます。参加者には、新たなアイデアやデジタルノウハウを共有し、国際都市東京の未来を共創することが期待されています。
このセッションを通じて、テリー・サイ氏は、行動変容、テクノロジー、そして都市の設計という三者が連携し合うことで、実現可能な脱炭素社会の未来像を示しました。Limeのミッションは、電動モビリティを公共交通手段として普及させ、カーボンフリーで持続可能な未来を描くことです。
Limeのサービスと今後の展望
Limeは、街中に設置された電動モビリティをシェアリングすることで、持続可能な移動手段の普及を目指しています。2024年8月には日本でのサービス提供を開始し、座って乗ることができる電動シートボードと立ち乗り用も提供します。Limeの取り組みは、都市全体の脱炭素化と利便性を両立させるイノベーションを推進しています。
電動モビリティの選択肢が広がることで、私たちの視点も変わりつつあります。短距離での電動モビリティの利用が普及することで、都市交通の課題を解決していく未来が期待されます。これからのLimeのさらなる展開に注目が集まります。