和歌山県太地町における自動運転連動の安全実証実験

和歌山県太地町での自動運転と歩行者安全実験

和歌山県の太地町では、地域の高齢者向けに自動運転車両を利用した安全で快適な移動を支援するための実証実験が行われました。この実証実験では、自動運転車両の接近を視覚的に通知するLED表示板（オプトマーカーⅤ）を設置し、歩行者への注意喚起を行っています。

実証実験の背景

太地町の高齢者人口は全体の45%以上を占めており、狭い路地が多い町内では公共交通機関利用の難しさが課題となっていました。バスやタクシーが通れない細い道が多いため、高齢者が移動する際には大きなストレスを伴うことががありました。そのため、2022年11月から町営の自動運転バスが導入され、エリア内の重要な施設を巡回するサービスが開始されました。これにより、町内外出の機会が大幅に増加しましたが、依然として歩行者が自動運転車両の接近に気づかないという危険が存在していました。

実証実験の内容

この実験では、見通しが悪く、車両と歩行者の接触事故が起こりやすい場所にLED表示板を設置し、自動運転車両にはITS（Intelligent Transport Systems）技術を活用した位置情報を送信する車載機を搭載しました。車載機からの情報をもとに、LED表示板が点灯し、歩行者に対して周囲の安全を促しました。この注意喚起方法は、小学校が近隣にあるため、子供たちに分かりやすいピクトグラムやひらがなを使用した表示も取り入れています。

さらに、表示板が点灯している時には追加の注意喚起灯も点灯し、歩行者の目を引く工夫が施されています。これにより、目の不自由な歩行者や高齢者も安全に自動運転車両の接近を認識できるようになります。

これからの展望

今回の実証実験は、東京で展開される次世代交通技術の試行の一環であり、積水樹脂株式会社はこれを通じて自動運転車両および交通安全に関する技術を進化させることを目指しています。将来的にはさらに多くの地域での導入が期待されており、より安全な交通社会の構築に向けた重要なステップとなります。

私たちの社会が自動運転車両を取り入れることにより、運転手と歩行者の相互理解が進むことで、事故を減らし、安心して移動できる環境つくりを進めていくことが求められています。これからも積水樹脂は道路交通の安全に貢献する技術を研究し続け、全ての人々にとってより快適で安全な交通システムを実現してまいります。