足立区の革新!五味彫刻工業所が新市場を開拓
足立区の有限会社五味彫刻工業所が、新たに開発したプラスチック製のタグが注目されています。展示会「東京インターナショナル ギフト・ショー」でも話題を呼んでいるこの商品は、アーティストグッズやスポーツチームのファングッズなど、多様なニーズに応える製品として進化しています。特に、小ロットでの多色展開が可能な点が評価されています。
会社の背景と時代の変化
五味彫刻工業所は、金型製作から射出成形までを一貫して手掛ける企業です。代表取締役の五味修氏は、父の代から受け継がれた技術を背景に、従来の自動車部品の彫刻から変革を迎えました。印刷技術の普及に伴い、従来の彫刻需要が減少。そこで、同社は市場のニーズに合わせてビジネスモデルの転換を決意しました。
「金型製作から成形まで一貫性を持たせることで、小回りの利いた生産を可能にしたい」と五味氏は述べています。また、足立ブランドへの参加により、企業間の交流を通じて新たなビジネスパートナーの出現があり、さらなる可能性を感じ取っています。
小ロット多色生産の中核
五味彫刻工業所の転機となったのは、有名キャラクターを扱うテーマパーク産業でした。ここでの要求は短期間で異なる商品を製作すること。この経験が彼らに小ロット多色生産のノウハウをもたらしました。「同時に10種類以上の商品を一気に生産することも珍しくなかった」と五味氏は振り返ります。この柔軟性が独自の企業の強みとして、他社の参入が難しい分野をカバーしています。
「MOTEL KEY TAG」と「DOG TAG」の誕生
五味彫刻工業所は2016年に「MOTEL KEY TAG」を開発し、これが新たなビジネスの起点となりました。このタグはアメリカのモーテルのキーにインスパイアを受けたもので、アパレルブランドとしての展開から予想外の反響を呼び、アーティストのコンサートグッズとしても使用されるようになりました。
2023年には新たなラインナップとして「DOG TAG」を世に送り出しました。これは、五味氏の映画愛から生まれた製品で、兵士のIDとして使用されるもので、従来の金属製ではなく、軽くて丈夫なプラスチックで製作されているのが特徴です。
推し活市場への適合
「推し活」という文化が根付いている今、このタグ製品がどれほどそのニーズに応えられるかに注目が集まっています。五味氏は「他にはないカラーバリエーションが多様な選択肢を提供し、推しとの繋がりを形にする商品として需要が高まっている」と語っています。特にライブイベントや特別な商品として、ファンにとって思い出を形にする役割を果たすでしょう。
未来への展望
五味彫刻工業所は2025年2月に東京ビッグサイトでの「第99回東京インターナショナル ギフト・ショー」に出展予定です。これにより、さらなる市場の音色を響かせ、海外展開も視野に入れていく方針です。
「皆がやりたくないと思うことにこそ、チャンスがあります。特に小ロットでの生産は我々の専門です」と自信を見せる五味氏。技術と柔軟性を駆使し、推し活市場をはじめとした新しいニーズに応えていく姿勢が、今後も注目されることでしょう。これからの五味彫刻工業所にぜひご注目ください。