家賃上昇の現実と賃貸オーナーの選択
近年の物価上昇の影響で家賃改定が注目される中、半数以上の賃貸オーナーが実際には値上げに踏み切れない現実が浮き彫りになっています。エイブル総合研究所の調査によれば、220名の賃貸オーナーを対象にした評価が示すのは、家賃を上げたいと考えながらも、さまざまな理由で実行できないという状況です。
調査結果の概要
調査の結果、48.2%のオーナーが「本来は家賃を値上げしたいが、できていない」と答えています。また、2.7%は「値上げを検討したが断念した」と回答し、合計で50.9%のオーナーが値上げの意向を持ちながら実行に移せていないことがわかります。この背景には、入居者との関係維持や、空室リスクの懸念が大きな要因としてあるとのこと。
さらに、物価上昇を「強く感じる」と「やや感じる」との回答は合計で97.4%にも達し、ほぼ全てのオーナーが物価高を実感しています。物価の変動が自身の経営にどのような影響を与えるのか、オーナーたちの頭の中には不安が広がっていることでしょう。
賃貸経営における優先項目
賃貸経営で最も重視されていることは「安定した賃貸経営」であり、66.4%という回答が最も多く寄せられました。これは、収益の最大化よりも安定性を重視するオーナーの慎重な姿勢を示しています。経営において安定性を確保することで、長期間にわたって賃貸事業を成り立たせていこうとする意志が感じられます。
賃貸オーナー様の声
調査に応じたオーナー様からは、「物価の上昇で経費が増えているが、入居者に負担をかけたくない」との声や、「空室リスクを避けるために、現状維持を選んでいる」という意見が多く寄せられました。これらの回答は、経営上の判断がどれほど難しいものであるかを如実に物語っています。
物価高の影響と未来の見通し
物価の上昇を受けて、中長期的には家賃についての市場全体への影響も気になるところです。家賃を上げることができないオーナーが多い中で、今後の経済状況や市場の動向によっては、再び値上げが検討される可能性もあります。ただ、市場環境が変わった場合でも、入居者との関係を重視した慎重な経営姿勢は今後も続くことでしょう。
エイブル総合研究所について
エイブル総合研究所は、賃貸仲介事業を展開するエイブルグループのシンクタンクとして、さまざまなデータに基づき賃貸市場を分析しています。『賃貸のこと、ちょっとマジメに、もっと面白く』というコンセプトのもと、今後も家賃動向や賃貸経営に関する情報を発信し、オーナーの皆様にとって役立つ情報を提供していくことを目指しています。